研究課題/領域番号 |
21K09097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三浦 洋一 三重大学, 医学部附属病院, リサーチアソシエイト (10420390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脳動脈瘤 / コンピューター数値流体力学 / ずり応力 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
脳動脈瘤壁には赤くて薄い部分や白くて厚い部分が観察されるが、脳動脈瘤の壁性状が術前に予測できれば、脳動脈瘤に対する治療の必要性の検討ならびに開頭クリッピング術や脳動脈瘤コイル塞栓術をより安全に行うための有用な情報となる。コンピューター数値流体力学解析や動的造影MRIの技術を用い、脳動脈瘤の壁性状を術前に予測することが可能か検討し、脳動脈瘤の壁性状に及ぼすメカニズムについても考察する。この結果、脳動脈瘤の発生、増大、破裂のメカニズムの解明や治療成績の向上にも寄与することを目的とする。
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研究実績の概要 |
脳動脈瘤の壁性状を開頭術により脳動脈瘤を切除摘出し組織学的に評価することは多くの症例で困難である.そこで,脳動脈瘤の壁性状の評価を一般化するために,脳動脈瘤開頭クリッピング術において,術中に観察された脳動脈瘤壁の色調の定量化について検討し報告した(Brain Hemorrhages 2022; 3:57-61).また,脳動脈瘤に対するコンピューター数値流体力学については,解析症例を蓄積してきており,flow diverter留置後の動脈瘤内の血栓形成と血行力学的パラメーターについて報告し(Brain Hemorrhages 2023; 4:39-43),血管内治療後の動脈瘤閉塞の病態を検討している.また、動脈瘤壁の壁性状と血行力学的パラメーターとの関連についての検討を行っており,開頭クリッピング術前に,術中観察されると想定される動脈瘤壁の色調の予測可能か報告した(脳卒中の外科 2023; 51:405-410).加えて,動脈瘤の増大に関連する血行力学的パラメーターについて検討を行い,報告した(J Neurosurg 2023; 30:1-6).引き続き,動脈瘤の発生,増大,破裂のメカニズムの検討および脳動脈瘤コイル塞栓術における再発についてもコンピューター数値流体力学を用い検討を行っていく.併せて,MRIでの脳動脈瘤壁性状の評価については,撮像のタイミングや撮像シークエンスの最適化について検討を行なっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動脈瘤壁性状の定量化およびコンピューター数値流体力学の方法の標準化については,症例を重ねつつ確立しつつある.さらに,開頭クリッピング術中に観察される動脈瘤の壁性状、および経過観察された脳動脈瘤の経過観察中の増大がコンピューター数値流体力学における血行力学的パラメーターにより予測が可能か検討を行ってきた。解析症例も蓄積されてきており,おおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
コンピューター数値流体力学における血行力学的パラメーターと,脳動脈瘤の壁性状および動脈瘤の発生・増大を含めた動脈瘤の病態との関連について,引き続き検討を行っていく.さらに動脈瘤壁の色調の定量化と血行力学的パラメーターとの関連についての検討を行なって行く予定である.造影MRIについては,撮像のタイミングや最適シークエンスの検討を行い,症例を蓄積し,開頭術にて脳動脈瘤壁の組織の採取が可能となった症例があれば,組織学的な検討を上記に併せて行なっていく予定である.
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