研究課題/領域番号 |
21K09098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2022) 滋賀医科大学 (2021) |
研究代表者 |
山田 茂樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40422969)
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研究分担者 |
渡邉 嘉之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20362733)
大島 まり 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40242127)
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (90252452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 4D Flow MRI / 脳脊髄液 / 脳血管 / 脳循環 / 脳代謝 / 脳体積 / 脳老化シミュレーション / 正常圧水頭症 / 数値流体力学 / 脳室拡大 |
研究開始時の研究の概要 |
4D Flow MRIと数値流体力学を融合した流体解析を新たに開発し、複雑な形状の脳室とくも膜下腔の中を移動する遅い複雑な脳脊髄液の3次元的な流体情報(流速、流量、逆流率、せん断応力など)を解析し、正常圧水頭症における1)脳室拡大の機序解明、2) 髄液シャント術前後の脳脊髄液の動態変化、3) 脳脊髄液の動態と脳機能(歩行,認知,排尿機能)の障害の関係性の3課題を3年間で遂行する。脳脊髄液の動態と症状進行の関係性や術後変化が明らかとなれば、シャント術後の髄液排出量の調整に科学的な根拠を与えることができると考えている。
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研究実績の概要 |
令和3年度から本科研費(基盤研究C)を頂き、滋賀医科大学で2022年9月までに健常ボランティア137人、正常圧水頭症(NPH)患者43人に3D T1強調、3D T2強調、4D FLOW MRI(脳脊髄液・脳血管)を撮像。全ての研究参加者で脳と脳血管、脳室、くも膜下腔の3Dモデル(stl file)を作成し、3次元流速情報とともに、東京大学・大阪大学、東京都立大学とデータを共有した。 2022年10月に研究代表者が滋賀医科大学から名古屋市立大学に異動となり、まず名古屋市大学のIRBに研究申請を行い、研究課題名『3次元画像解析システムを用いた脳・脳脊髄液・脳血流の動態解析・シミュレーション』が2022年12月1日に承認(管理番号:60-22-0083), 研究課題名『脳・脊椎脊髄疾患の病的歩行を検知する3次元動作解析システム』が2023年1月23日に承認(管理番号:60-22-0111)。 学会発表は、2022年5月に国際MRI学会 (ISMRM、Web参加)で一般口演、2022年9月に国際水頭症学会(スウェーデン)で教育講演と一般口演、韓国認知症学会で招待講演と、国内学会で14件のシンポジウム・招聘・教育講演、8件の一般口演を行った。 共同研究施設との進捗状況報告として、脳循環代謝数理モデル研究会を第4回(2022/9/26 Web開催), 第5回(2022/11/28 Web開催), 第5回(2023/3/4 名古屋市大学で開催)し、TDPT歩行解析研究会を第7回(2022/6/10 Web開催),第8回(2022/8/30 Web開催),第9回(2023/3/9 Web開催)を行った。 論文は国際誌に筆頭(責任)著者として2つの総説と3つの研究原著論文、共著者として3つの研究論文が出版され、3つの和誌に筆頭(責任)著者として出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年10月に研究代表者が滋賀医科大学から名古屋市立大学に異動となったが、滋賀医科大学で、かなりのボランティア参加者を得ることができ、MRIによる画像解析研究、スマートフォンによる歩行解析研究ともに、データを収集・解析・論文化まで進めることができた。現在、さらに4つの論文を国際誌に投稿中であり、共同研究期間とも連携して、研究を加速させることができている。
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今後の研究の推進方策 |
収集した健常者と特発性正常圧水頭症患者の脳と脳血管、脳室、くも膜下腔の3D形態情報と4D Flow MRIによる脳血流と脳脊髄液の3D流速情報を解析して新たな知見を得ていくとともに、共同研究機関である東京大学、大阪大学、東京都立大学の工学部でシミュレーションモデルを作成していく。本共同研究グループで、新たに令和5年度「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム(次世代超高速電子計算機システム利用の成果促進)」(高性能汎用計算機高度利用事業費補助金)が採択され、研究はさらに加速していくと考えている。 歩行解析については、共同研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所で、スマートフォンアプリの精度検証実験を終了し、現在、解析を行っている。さらに、共同研究機関を全国に広げている。
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