研究課題/領域番号 |
21K09102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
賀耒 泰之 熊本大学, 病院, 助教 (20626882)
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研究分担者 |
岳元 裕臣 熊本大学, 病院, 助教 (50883021)
植川 顕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (40448535)
大森 雄樹 熊本大学, 病院, 助教 (60599116)
武笠 晃丈 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90463869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 脳虚血 / もやもや病 / 麻酔 / 血液脳関門 / 周術期管理 |
研究開始時の研究の概要 |
“脳血管障害治療における麻酔薬と血液脳関門(BBB)透過性亢進の影響“という新機軸の着想を検証する。①臨床的にはBBB破綻の術中リアルタイム評価に加え麻酔薬および臨床経過の詳細な検討を行い、②基礎的にはラット一過性脳虚血モデルを主に用いた検証実験を行う。統合的に、麻酔薬による脳虚血患者の周術期の血液脳関門の機能変化を解明する。
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研究実績の概要 |
①臨床データを集積し後方視的に検討しその成果を学術論文として発表した。概要は以下の通りである。目的:もやもや病(MMD)に対する血行再建術において、麻酔方法の違いが術後の神経症状の発現に及ぼす影響については、以前として議論の余地がある。新たな麻酔薬の登場などにより麻酔法も変化している中、本研究では、MMDの血行再建術における吸入麻酔が術後の一過性神経脱落症状(TNEs)の発現に及ぼす影響について検討した。 対象と方法:2013年から2023年の期間に当院で脳血行再建術を行ったMMD患者63例82半球を対象とした。吸入麻酔群(IA)と静脈麻酔群(TIVA)の2群に分け、患者背景、術後TNEsあり・なし、術後のMRIでのcortical hyperintensity belt (CHB) sign score(0~4の5段階)を2群間で比較した。また、術式、術中の血行動態をTNEsの有無により2群間で比較した。結果:IA群39半球、TIVA群43半球。術後のTNEsの発現は、IA群13%(5/39), TIVA群37%(16/43)であり、IA群で有意に頻度が低かった。多変量解析ではTIVAとTNEsは相関があった。オッズ比 3.91; 95% CI, 1.24-12.35; P=0.02。また、CHB sign scoreの中央値はIA群 2 [1-3], TIVA群 4 [3-4]で,TIVAが有意に高値であった。結論:吸入麻酔は、術後のTNEsの発現とMRIでのCHB signの出現を抑制する。 ②ラット脳虚血モデルを作成し検証実験を継続している。脳血行再建術前後のBBBの機能変化や微小脳循環の異常について、大脳皮質を観察対象として免疫学的手法で検証した。麻酔薬の作用についてはさらなるデータの蓄積が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床データの蓄積、検証実験ともに順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在の体制での不備はなく研究を継続する。
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