研究課題/領域番号 |
21K09106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2023) 横浜市立大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
西 真由子 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (90635343)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 悪性リンパ腫 / 微小環境 / 細胞間相互作用 / ペリサイト |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、組織再構築に有用なコラーゲンビトリゲル膜をインサートに使用したad-MEDビトリゲルを活用し、患者から採取されたPCNSL細胞とペリサイトを両面培養することで、PCNSLの生存に必要最小限の微小環境を維持する生体外培養系の構築に成功した。本研究では、本システムおよび樹立した細胞株を用いて、PCNSLとペリサイトの両側面からPCNSL増殖・進展の分子メカニズムや責任因子を特定することで、微小環境や細胞間相互作用を基軸とした新たなPCNSL治療戦略を提案する。さらには、本システムをハイスループットの薬剤スクリーニング系などに応用し、新規治療剤候補物質を探索する。
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研究成果の概要 |
中枢神経原発リンパ腫(PCNSL)は、臨床上きわめて重症な脳外科領域悪性腫瘍であるにもかかわらず、その発生母地や増殖浸潤における詳細な分子メカニズムについては未だ解明されていない。これは、PCNSLの生体外培養系が確立されていないことに起因する。我々はコラーゲン膜をインサートに使用したad-MEDビトリゲルを活用し、患者から採取されたPCNSL細胞と脳血管周皮細胞であるペリサイトを両面培養することで、PCNSLの生存に必要最小限の微小環境を維持する生体外培養系の構築に成功した。この共培養システムを用いてPCNSLの増殖・進展に重要なシグナルパスウェイおよびリン酸化シグナル因子を複数特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来PCNSL研究は、患者腫瘍組織を免疫不全マウス脳内に移植した”Orthotopic(同所性)”PDX(patient-derived xenograft)が、生体外で腫瘍細胞を増殖できる唯一の方法として活用されてきた。しかしながら、PDXは腫瘍細胞以外の細胞群がマウス由来細胞であること、生きたマウス脳内に細胞を移植するための労力や費用が負担になること、一細胞レベルの解析やハイスループットの薬剤スクリーニングには適さないことなどがネックになっていた。我々が構築したPCNSL-ペリサイト両面培養系により諸問題が解決され、PCNSLの新規治療法開発に向けた基盤研究が促進されることが期待できる。
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