研究課題/領域番号 |
21K09113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
堀澤 士朗 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10746796)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 小脳 / 脳深部刺激 / ジストニア / 振戦 / 不随意運動 / 脳深部刺激療法 / 局所フィールド電位 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小脳歯状核に対する脳深部刺激術を用いて、小脳歯状核の最適な治療部位および体部位局在の検討、局所フィールド電位(Local field potential:LFP)の検討をすることで、不随意運動における小脳のメカニズムの解明を目的とする。小脳に対する脳深部刺激は、世界的にほとんど行われていないため、不随意運動における小脳の詳細なメカニズムは未だに不明な点が多い。本研究により、不随意運動の病態解明および新たな治療法の開発に資することが期待される。
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研究実績の概要 |
小脳深部刺激において大変興味深い知見を得ることができ、Movement Disorders Clinical Practiceに報告をした。小脳深部刺激では、これまで大脳基底核や視床に対する脳深部刺激と同様に130Hz前後の高頻度刺激が用いられてきた。また、我々も高頻度刺激を試していたが、効果が持続しないことから、様々な頻度に刺激を徹底的に検証したところ、用いられる最も低い周波数の刺激である2Hzが最も有効であることが明らかになった。また、持続的な刺激では効果が持続しないため、刺激をOFFにする期間を様々な条件で検討したところ、3分間のOffと3分間のOnによるサイクルモード刺激により、持続的な効果を得ることができた。これらの知見は、これまで報告されてこなかった新しい知見であり、今後の小脳深部刺激療法における最適な刺激条件の検証に資する重大な発見であった。現在、追加の症例に関する研究論文を執筆中である。 Horisawa S, Qian B, Nonaka T, Kim K, Kawamata T, Taira T. Intermittent Ultralow‐Frequency Low‐Amplitude Deep Cerebellar Stimulation for Movement Disorders. Movement Disorders Clinical Practice. 2023 Nov;10(11):1683-6.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小脳深部刺激において未だ不明である最適な刺激部位および最適な刺激条件に関しての検証を進めている。最適な刺激条件に関しては2Hzの低頻度かつサイクルモードの刺激が最適であると考えられ、その内容をMovement Disorders Clinical Practiceにおいて公表した。最適な刺激部位に関しては現在様々な画像解析技術を用いて検証中であり、年度内に終了予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最適な刺激部位、および最適な刺激条件の検証を引き続き行う。また、4例においてLocal Field Potentialの解析を現在行なっている。小脳におけるLocal Field Potentialの報告はなく、ジストニア、本態性振戦などの疾患によるLFPの相違があるか、また運動に伴うLFPの変化など、様々な基礎的生理学的事項に関して解析を進めている。これらの内容も公表できるよう準備中である。
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