研究課題/領域番号 |
21K09118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鶴淵 隆夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70778901)
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研究分担者 |
田中 直樹 九州大学, 工学研究院, 助教 (00844672)
ザボロノク アレクサンドル 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20723117)
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 平面三配位ホウ素 / 低分子化合物 / in vitro study / 細胞内取り込み試験 / 中性子捕捉療法 / 基礎研究 / 基礎的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は腫瘍特異的に取り込まれたホウ素化合物に対して中性子照射を行い、10μm飛程のα線による単一腫瘍細胞レベルの殺腫瘍効果を得る、難治性腫瘍に対する画期的な治療方法である。しかし、既存のホウ素化合物では、腫瘍指向性が低いため、腫瘍/正常組織の至適ホウ素濃度比の維持が困難で、治療直前に持続大量投与が必要となり、容量負荷や腎毒性が問題となっている。我々は、高い腫瘍指向性の、構造自体にホウ素が組み込まれ非常に安定な、両親媒性の、平面型ホウ素内在型低分子化合物を開発した。本研究では腫瘍細胞への取り込み試験、毒性試験、各臓器への取り込み試験、細胞・動物照射実験を行う。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、in vitro studyとして平面三配位ホウ素の様々な、がん細胞への取り込みの程度を評価した。CT26マウス大腸がん細胞、GL261マウス脳腫瘍細胞を、6 well plate上で培養し、薬剤投与後に、蛍光観察し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置 ( ICP-AES )によるホウ素濃度測定を行った。 平面三配位ホウ素に関しては、従来のホウ素化合物ボロのフェニルアラニン(BPA)よりも高い細胞内取り込みを3mMの投与濃度でみとめた。しかし、細胞内取り込み試験の最中に、顕微鏡下に培養細胞を観察すると、平面三配位ホウ素は、化合物の一部が培養細胞表面に析出しており、化合物自体の溶解性に改良が必要と判断された。 一方で、水溶性が高い、ホウ素多価イオン(ホウ素トリカチオン)も新規ホウ素化合物候補であり、同様の実験を施行した。3mMまでの範囲で濃度依存性に細胞内取り込み上昇をみとめたが、BPAと比べてとりこみの程度は低かった。顕微鏡下に培養細胞を観察すると、培養腫瘍細胞内に空砲変性がみられており、毒性が強いと判断した。現時点で、双方の化合物ともに、改良を要しており、照射実験は今年度は施行できなった。しかしながら、平面三配位ホウ素に関しては、溶解性の問題が改善できれば、新規ホウ素化合物として、BPAよりも良好なホウ素化合物として期待ができるとおもわれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規ホウ素化合物、平面三配位ホウ素、および、ホウ素トリカチオンに関しては、細胞内取り込み試験の段階であり、照射実験を行うには、改良が必要であると判断したため。
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今後の研究の推進方策 |
溶解性の問題を改良すれば、平面三配位ホウ素は、新規ホウ素化合物として、今後の候補となり得ると思われた。
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