研究課題/領域番号 |
21K09122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊東 清志 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (00362111)
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研究分担者 |
寺岡 啓 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00357542)
川原 一郎 松本歯科大学, 歯学部附属病院, 教授 (20319114)
相馬 貢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 総括研究主幹 (90344142)
明渡 純 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究センター長 (90356353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 頚椎症 / インプラント / スペーサー / ハイドロキシアパタイト / コーティング / 抗菌性 / 頚椎インプラント / 骨形成性 |
研究開始時の研究の概要 |
「わが国初の高い抗菌性と骨形性能をもつハイブリッドPEEK製骨疾患治療材の開発」 近年の高齢化社会化、糖尿病患者などの増加により、脆弱な骨を持ち、術後感染にも弱い骨疾患の治療機会が増えている。しかし現在頚椎症等の骨疾患の治療具に用いられているポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(以下 PEEK)製インプラントには、術後の自己骨の形成が遅く、感染の危険性が高いという課題がある。本研究では、プラスチック基材へのコーティング技術を用い、抗菌力をもつ酸化アルミニウムを中間層とすることで滑らかなPEEK表面へハイドロシキアパタイトコーティングを行い高い抗菌性と骨形成能をもつPEEKインプラントを開発する。
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研究実績の概要 |
脊椎椎体スペーサーは、頚椎椎間板ヘルニアなどの脊椎手術において、頚の骨と骨の間に挟み込んで使用される。金属製スペーサーは、骨より硬いため、脊椎椎体を圧潰し再手術になりやすい。柔らかいポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製スペーサーは、椎体を破壊すことは少ないが、骨形成性が低いため、スペーサー周囲に骨ができず固定性が悪い。 本研究では、これらの問題を解決し「骨に近い剛性を持ち脊椎椎体を破壊しない、すなわち安全で、かつ優れた骨形成能をもつインプラント器材」を開発する ことを目標とする。申請者が着目したのは、連携研究者が産業総合研究所で開発した、日本「発」かつ世界「初」の技術である「エアロゾルデポジション法(AD法)」である。 この技術を用い、PEEK の表面に骨と同様の成分かつ骨形性能をもつハイドロキシアパタイトのコーティングを行う目標を立てた。現在、そして骨形成能をin vitroおよび vivoで検討し、新型スペーサーを開発する。AD 法の条件(ハイドロキシアパタイトの噴射量、噴射速度、噴射角度)などを検討するべく、in vitroの条件で信州大学、産業総合研究所共同で条件の細部を検討している。PEEKの表面に結合させた後、実際に、SEM, TEMを用いてナノレベルでのHAとPEEKとの結合を観察する。またPEEK表面からのHAの剥がれやすさを「JIS規格 K6848-4の引きはがし試験」で評価する。その成果をもとに、in vivoにすすみ研究を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において、産業総合研究所および松本歯科大学との共同での研究体制が整わず、もっぱらZOOMなどにたよった非対面形式での研究の推進となっており、本年の課題であった in vitroでの骨細胞のPEEK表面の増殖および骨の形成の観察が出来ていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
条件を的確にしたのち、PEEKの唯一の欠点である、自己骨形成遅延が解決された新たなPEEKを開発し、低剛性・高骨形成性を持つ、「PEEKに骨形成能を付与するにはどのような方法が妥当であるのか。」という問いを明確にできると考えている。徐々にコロナによる社会活動の制限がとけつつある。そのために、筑波学園都市にも通い実際に in vitroによる条件検索が加速度的に進むと思われる。またこの条件が整えば、筑波学園都市に行かなくても研究を進めることができる。今後の社会情勢を見ながら研究体制を整えていく。状況によっては、有効な資金利用のために、試験期間を延ばしていくことも考えている。
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