研究課題/領域番号 |
21K09132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中村 大志 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 診療講師 (60771615)
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研究分担者 |
立石 健祐 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (00512055)
市村 幸一 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
山下 聡 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80321876)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Brain metastasis / Lung cancer / 形質変化 / 肺小細胞癌 / 転移性脳腫瘍 / 中枢神経親和性 / Notch pathway / 患者由来細胞株 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
SCLC転移性脳腫瘍病変の網羅的DNA解析を行うことは、浸潤、予後に影響を与える因子を見出し、新規の治療法開発を行うために重要と考えている。本研究はSCLC転移性脳腫瘍の局所浸潤機序を解明するために、(1) SCLC転移性脳腫瘍のエピゲノム領域について分子生物学的特徴を明らかにする。また(2) どのような腫瘍細胞プロファイルが神経組織への浸潤能を高めているかを明らかにする。そのうえで(3) SCLC転移性脳腫瘍組織より細胞株を樹立し、前述の解析によって明らかになった浸潤に特異的な因子、標的経路を標的にした薬効実験によって腫瘍細胞・腫瘍組織所見において腫瘍浸潤能の抑制とその機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
まず本研究に向けて自施設より肺小細胞がん(Small cell lung cancer; SCLC)だけでなく非小細胞肺がん(non-Small cell lung cancer; NSCLC)による転移性脳腫瘍症例の腫瘍組織を摘出術時に残余検体を保存した。 研究分担者である市村幸一博士及び山下聡博士と相談しながら脳転移病変における発現解析・遺伝子解析について準備を行なっている。具体的にはRNA sequencingによって転移性脳腫瘍において中枢神経に近似するような発現変化するpathwayが存在するか検証する予定である。また遺伝子解析によってこれまでに報告されているc-kitの遺伝子異常だけでなく、前述の異常pathwayに関わる遺伝子異常が起こるか検証する予定である。 また研究協力者である宇高直子氏と相談して乳がん転移性脳腫瘍で報告されたように脳転移病変においてグリア細胞様の形態変化が境界領域において起こるのか検証することを準備している。特に神経内分泌機能をもつSCLCではNotch pathwayがそれに関与することが報告されており、内分泌機能の局在と腫瘍・正常脳組織の浸潤に関連があるか病理学的に評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肺がんによる転移性脳腫瘍症例の検体採取は順調に進んでおり、原発組織のある症例が10症例程度あり原発・転移組織による比較対象の準備については概ね予定通りに進展している。肺がんに伴う転移性脳腫瘍検体について収集は予定通り進んでいるものの、当初の予定よりパイロット的に行ったexome sequenceの解析が遅延している。そのプロファイルを調べた上で、病理所見・分子生物学的形質変化が中枢神経転移に際して生じたかを評価する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
エクソームシークエンスによるそのプロファイルを調べた上で、病理所見・分子生物学的形質変化が中枢神経転移に際して生じたかを評価する予定である。そこで横浜市立大学附属市民総合医療センター研究棟においてオルガノイド培養は継続的に行われているのでその中でパイロットとしてまず一検体試行する。その上で病理組織的な評価を原発・転移病変とオルガノイド培養でも行いながら遺伝子解析・発現解析を行なって転移病変における中枢組織親和性に関わる経路・発現以上を抽出する本プロジェクトを進める予定である。
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