研究課題/領域番号 |
21K09137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
北村 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30445382)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 転移性脳腫瘍 / 乳癌 / 幹細胞治療 / 分子標的薬 / 髄膜播種 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌は高い頻度で脳転移を起こす癌である。しかも、原発巣の治療が落ち着いた後、何年も経ってから転移が見つかるということもしばしば起こる。近年の研究で癌細胞が比較的早い段階で脳に移り、長い間潜んでいることがわかってきた。そこで私たちは治療用の幹細胞を使って脳に潜んでいる段階の癌細胞を殺し、後々起こりうる転移巣の出現を予防する治療法の構築を目指す。また、癌の髄膜播種は、脳の表面に癌細胞が増殖する脳転移の一型で、効果的治療法がないというのが現状である。私たちは治療用の幹細胞を使って、髄膜播種した癌細胞を殺すことができないかを検証する研究を行う。
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研究実績の概要 |
乳癌の細胞株を購入し、レンチウイルスを使用して蛍光タンパク質と発光タンパク質を導入した。その遺伝子導入細胞株をマウスの脳に接種し、生体発光イメージングシステムにて撮影可能な乳癌脳転移のマウスモデルの作成に成功した。マウスの脳内での腫瘍の成長のスピードやマウスの生命予後との関係 について観察を行い、今後の治療効果確認のパートでの必要な基本的な情報を得た。これらの所見について、差し支えのない範囲で学会にてポスター発表を行った。 さらに、治療用細胞として、幹細胞と免疫細胞を購入し、こちらにもレンチウイルス を使用して蛍光タンパク質と発光タンパク質を導入した。これらの治療用細胞を接種したマウスがIVISシステムで撮像可能であることも確認した。これらの治療用細胞にレンチウイルスを使用し、乳癌に対する治療物質を搭載させ、in vitroで抗腫瘍効果を有すること確認した。この治療用細胞を利用して、in vivoにおける、乳癌細胞株とその脳転移巣への治療効果を確認を行う予定である。さらに、微小転移マウスモデルを利用し、細胞治療の有効性を評価する予定である。具体的には癌細胞を頸動脈に注射してから数週間前後で、今度は治療用細胞を同じ血管から注射し、 腫瘍サイズの経過をIVIS等で評価していく予定である。同時に治療用の細胞もIVISで追跡、観察する。さらに治療後の脳組織切片の各種免染を行い、治療用細胞の癌細胞に対する挙動や周囲の細胞、構造物との関係性などを評価することを予定している。成果を出来るだけ評価の高い国際雑誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに細胞株の購入と遺伝子の導入等は概ね済んでおり、細胞の準備はほぼできている状態である。これから主にマウスを使用したin vivoの実験に取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は幹細胞の効果を確認するための動物実験に移る予定である。治療効果が証明できた場合には、さらに他の癌細胞株、他の幹細胞に対象を広げて検証を行う予定である。
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