研究課題/領域番号 |
21K09141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
永野 佳孝 愛知工科大学, 工学部, 教授 (40610142)
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研究分担者 |
宮地 茂 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00293697)
大島 共貴 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30378161)
泉 孝嗣 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90467291)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脳神経外科 / 脳血管内治療 / 挿入力センサ / 摩擦 / ヒステリシス / コイル塞栓術 / 透視画像 / カテーテル / 力センサ |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管内カテーテル治療において、血管内壁に触れる治療デバイスの先端力測定の研究は、本治療が普及し始めた10~15年位前にいくつか試みられているが、その多くはデバイスの先端に直接的に力センサを組み込んだものであり、臨床適用のハードルが非常に高い。 本研究では、計測可能なX線透視画像と治療デバイス末端の手元挿入力とからこの先端力を推定する方式とした。本方式は、現在使用している治療デバイスをそのまま利用できることが、従来研究とは異なる大きな利点である。本方式の実現に必要となる、X線透視画像からカテーテルの湾曲角度の計算と、体外で使用する手元挿入力センサを開発し、臨床適用できるシステムを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究のコンセプトは、これまで術中に計測不可であった患者の血管内壁に作用する先端力を、計測可能なX線透視画像と体外にある治療デバイスの末端の挿入力とによって推定することにある。本研究の具体的目的は研究1から5に分けられている。 2023年度では、主に研究4の継続と推定方法に関する検証を実施した。 2022年度における研究4では、2次元透視画像でのカテーテルの形状検出について目途をつけたが、2023年度では2枚の透視画像を用いたカテーテルの3次元の形状検出について実施した。術中の2枚の透視画像において、その撮影角度が90度から10度以上差があることや、原点および縮尺もかなり異なることから、透視画像間の対応点を用いた座標補正が必要となった。対応点の検出には、各画像の時間差分で検出できるワイヤの移動部分の座標を使用することで解決した。 研究4の結果として、ワイヤの移動軌跡から先端部が血管壁に接触する瞬間をとらえることができるようなり、接触時における体外の挿入力の値を計測することで、カテーテルの経路の摩擦力を推定することができるようになった。また、接触の直前からワイヤを引張ったときの引張力も、符号は反対であるが経路の摩擦力である。したがって、血管壁への接触前後におけるワイヤの進行方向と体外の挿入力とを多数検出して平均化することで、摩擦力を精度よく推定できることになった。先端部の挿入力は、体外の測定可能な挿入力からこの摩擦力を減算したものと推定できる。 カテーテルの形状をパラメータとした実験モデルによる検証実験では、摩擦力の再現性は高いことものの、減算後に約20%前後の乗算補正が必要であった。この乗算補正の原因が、カテーテルの形状か実験モデルの問題なのかを、さらに確認していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度の達成目標は、研究4と研究5を完成させることであった。現時点で、研究5は未着手であるため、1年間研究期間を延長している。このため、全体として遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半において、検証実験を終了させる。また、研究5で示しているX線透視装置との接続による臨床用評価システムの開発について着手する。2024年度後半では、研究5を完成させるととも、研究1から研究5を組み合わせたシステムにおいて医療機関での評価改良を実施する。
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