研究課題/領域番号 |
21K09143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗栖 宏多 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (30869839)
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研究分担者 |
鐙谷 武雄 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80270726)
長内 俊也 北海道大学, 大学病院, 講師 (90622788)
藤村 幹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00361098)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Ferroptosis / reperfusion injury / 虚血再灌流障害 / 脳虚血再灌流障害 / デフェロキサミン / 局所冷却療法 |
研究開始時の研究の概要 |
急性期脳梗塞に対し、血管再開通療法が成功した場合でも脳虚血再灌流障害により障害が悪化することが知られている。近年新たな細胞死としてフェロトーシスが発見され、中枢神経系の疾患や中枢神経系以外の臓器の虚血再灌流障害でこのタイプの細胞死が密接に関与していることが明らかになってきた。この細胞死は鉄依存性であり、鉄のキレート剤で抑制されることが知られている。しかし、脳虚血再灌流障害の際のフェロトーシスの関与は明らかでなく。鉄のキレート剤による治療効果も不明である。 脳虚血再灌流障害へのフェロトーシスの関与と鉄のキレート剤であるデフェロキサミン(DFO)の治療効果を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
脳虚血再還流障害モデルにおける、Deferoxamin(DFO)のフェロトーシス抑制と細胞内鉄の蓄積の関係などを検討し、結果として、ラット虚血再還流モデルは、フェロプトーシスと細胞内鉄の増加を引き起こした。DFOの投与は、細胞内鉄の蓄積を抑制する効果があったが、ミトコンドリアの縮小などの明らかなフェロプトーシスの抑制は見られなかった。神経症状については、DFOの投与は有意な改善効果を示さなかった。以上から、脳虚血再還流障害における細胞内鉄とフェロプトーシス抑制は別個のメカニズムによるものであり、今回使用したDFOの容量では鉄代謝対してのみ有効である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳虚血再還流障害は世界的に有病率の高い脳卒中治療の合併症として発生し、高い致死率や後遺症を引き起こす重大な問題を解決する可能性があるという点が社会的に意義があることである。本研究で用いたDFOは、臨床的に安全性が確認されており、既存の治療法と併用することで、脳虚血再還流障害の予防や改善に効果を示す可能性がある。今後は、DFO以外の鉄キレート剤や、ミトコンドリアの機能を回復させる薬剤など、他の治療薬の有効性や副作用についても検討する必要がある。以上のことを通して、脳虚血再還流障害の根本的な治療法の開発に向けて、さらなる研究を進める予定である。
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