研究課題/領域番号 |
21K09146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
舘岡 達 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40824595)
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研究分担者 |
吉岡 秀幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20402076)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 虚血耐性 / ミクログリア / アストロサイト / 虚血 / インターフェロン制御因子ファミリー |
研究開始時の研究の概要 |
ミクログリアは刺激に応じて各種IRFファミリー転写因子によって多様な表現型へ誘導され、種々の変化に応答する。ミクログリアの表現型は、多発性硬化症やアルツハイマー病、ならびに神経障害疼痛等において病態発症の中核であると考えられており、新たな治療ターゲットとして注目されている。脳虚血時にはミクログリアは傷害型と保護型の2種に誘導され、引き続き神経細胞やグリア細胞を活性化するが、脳虚血への耐性獲得には保護型ミクログリアの誘導が重要である。しかし、IRFファミリー転写因子による極性制御は明らかとなっていない。そこで、本研究では動物を用いて脳虚血モデルを作成し、ミクログリアの転換の詳細について解明する。
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研究実績の概要 |
虚血耐性現象にはミクログリアが必要な点をTTC染色において証明したが、ミクログリアがどのように虚血耐性現象へ関与しているかは不明であった。 一過性虚血後、sham modelにおいてはアストロサイトの活性化を確認できた。PLXを用いてミクログリアをノックダウンした状態で一過性虚血を実施すると、アストロサイトが異常に活性化することが確認できた。 アストロサイトの極性を免疫染色にて確認すると、sham modelではP2X7Rが活性化していたが、PLX投与モデルでは、P2X7Rの発現が低下していた(control 8.8 ± 4.1 mm2 vs PLX 4.4 ± 2.9 /3*10-2 mm2, P<0.01)。一方、障害性マーカーであるC3dの発現はPLX投与モデルで上昇していた(control 3.0 ± 3.1 vs PLX 12.1 ± 4.5 /3*10-2 mm2, P<0.05)。 ミクログリアは、一過性虚血後にアストロサイトを適切に活性化し、保護型へ分化させることで虚血耐性現象を誘導すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミクログリアが虚血耐性現象におけるアストロサイトへの影響、相互連関について明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
ミクログリアがどの因子によりアストロサイトの極性変化を制御しているのか確認する必要がある。また、一過性虚血をうけたミクログリアがどのように極性を変化しているのかも確認する必要がある。
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