研究課題/領域番号 |
21K09154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
氏福 健太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20437867)
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研究分担者 |
松尾 孝之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00274655)
日宇 健 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (00404260)
吉田 光一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20393457)
馬場 史郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30530430)
諸藤 陽一 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 脳神経外科, 医長 (40437869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 転移性脳腫瘍 / 脳血液関門 / 初代培養細胞 / BBBキット / in vitro実験モデル / エクソソーム / 網羅的発現解析 / ペリサイト / 液性因子 |
研究開始時の研究の概要 |
血液脳関門(blood brain barrier: BBB)は、脳毛細血管内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトなどで構築され、これらの間にneurovascular unitという機能単位が形成されます。がん細胞は、抵抗性を示すはずのBBBを通過し、転移性脳腫瘍として侵入、定着、休眠、再活性化、増殖をおこします。複数の共培養in vitro BBBモデルでペリサイト関連の液性因子が転移性がん細胞の増殖を抑制することを見出しました。これがサイトカインという因子以外の、未知の液性因子である可能性を疑っており、エクソソームという分泌因子をターゲットとして、そのメカニズムの解明を目指します。
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研究実績の概要 |
本研究では、がん転移細胞が脳血液関門(blood brain barrier: BBB)を通過するメカニズムの解明を目指している。先行研究において、肺がん細胞株をもちいたin vitroの脳血液関門(blood brain barrier: BBB)モデル実験にて(動物実験委員会 承認番号0704190570)、BBBモデルに肺がん細胞株を加え、脳血行転移を再現した系を構築し、ペリサイトは腫瘍増殖抑制的に働いていることを報告済みである(藤本ら、2019)。RNAseqにて、このモデルで炎症性サイトカインの関与は明らかでなく、それ以外の液性因子が関与することが示唆され、関与する遺伝子としてWwtr1(TAZ)およびAcin1が候補に挙がっている(氏福ら、Cell Mol Neurobiol.2022)。 本研究の具体的ターゲットを、エクソソームとそれに含まれる分子群と想定し、研究を開始した。キット等で回収したエクソソームを品質評価し、関連分子の各種解析を行う。①YAP-TAZ signal pathwayを介した競合阻害作用が働いている可能性や、②線維芽細胞のアポトーシスの抑制機構を主標的として追求する予定である。 また、転移性脳腫瘍の検体採取および初代培養細胞樹立を行いつつある(臨床倫理委員会 許可番号17091117)現時点で、既存のがん細胞株をもちいたモデルを用いて、初代培養細胞の使用は、引き続き今後の研究課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
BBBモデルの動物実験倫理委員会申請許可にトラブルはない。主に研究者(人手不足)の面で、COVID19蔓延の余波を受けて本体研究が遅れている。 また、当院の臨床研究倫理委員会より、研究許可の再申請を指示されており、倫理的瑕疵が生じないような対応を検討中である。現時点で実際の患者検体を用いる実験は、別途倫理委員会許可済みの範囲にとどめている。研究倫理違反に該当する項目はない。したがって、人手の面で、転移性脳腫瘍からの初代培養の実験実施は保留、難航している。 本体研究が上手くいかなかった場合の、副次的研究課題の業績として、(主に悪性)脳腫瘍に関連する研究業績を積み上げている。PIが2件の症例報告を行っており、PIが共著者として参加した、ペリサイトの総説、およびスタチンが疾患にあたえる影響に関する総説が査読ありの学術誌に採択された。PIはJCOG主導の共同研究や、九州脳腫瘍研究会に参加し、業績の筆者に名を連ねた。RNA-seqについてのプロトコール集も出版された(DOIあり、論文業績内に記載)。
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今後の研究の推進方策 |
研究倫理に抵触しないよう留意しながら、BBBモデルでのwet実験の実行を目指す。エクソソーム実験系を確立する。ターゲットとなる遺伝子について、knock down/out/in実験や、薬物スクリーニングなどは今後の課題となると思われる。脳転移巣からの初代培養樹立実験は再開した。(意欲的課題である)原発巣(肺がん)からの初代培養における課題解決を目指す。 上記研究計画が順調に進まなかった場合の副次課題として、悪性グリオーマについての研究、方法論が共通する内頚動脈プラークのin silico解析、臨床研究、症例研究も並行して進め、本研究から派生した研究成果についても順次発表する予定である。
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