研究課題/領域番号 |
21K09160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菅野 秀宣 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90265992)
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研究分担者 |
飯村 康司 順天堂大学, 医学部, 助教 (30819222)
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
田中 聡久 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70360584)
鈴木 皓晴 順天堂大学, 医学部, 助教 (90884065)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | てんかん / 脳波 / 発作解析 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性焦点性てんかんは、適切にてんかん焦点を摘出する事で発作が消失する。非侵襲的検査でてんかん焦点が推定されない場合は、頭蓋内電極を用いて脳皮質より脳波を記録し、てんかん焦点を診断することが推奨されている。頭蓋内脳波は、電極がてんかん焦点に接している際に正確な結果を示すが、外れた際には焦点を誤るという欠点がある。よって、記録されたてんかん波形が正しい焦点からのものか否かを判断する方法および非焦点からの脳波記録を補正し真の焦点を推定する方法が求められる。本研究では、真のてんかん焦点と周囲を鑑別する有用な因子を明らかにするとともに、非焦点からのてんかん波を補正するアルゴリズムを開発する。
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研究実績の概要 |
1.側頭葉てんかん患者の頭蓋内脳波による発作時脳波を用いて、高周波律動(HFO)および位相振幅結合(PAC)よりてんかん焦点を同定する研究を行った。てんかん発作を約1秒毎のエポックとして1/4エポックずつ移行させる連続解析を開発した。PACはmodulation index (MI)を用いた。発作起始部位ではMI値(80-200Hz / 3-4Hz, 80-200Hz / 4-8Hz)が周囲のそれらに比べて有意に高値を示した。また、発作起始部位では発作時に上昇したMI値が一旦低下しdipを形成する特徴があることも解明した(Clin Neurophysiol 2023)。 2.MI解析がHFO解析単独よりも発作起始部位を同定し得る事を確認するため、研究対象を皮質形成異常患者として検証を行った。皮質形成異常においても同様の結果を得る事が出来た(投稿準備中)。 3.昨今用いられる定位的頭蓋内脳波(SEEG)を用いても検証を行った。SEEGにおいても発作時MI解析は有効に発作起始部位を同定し得ることが示された(投稿中)。 4.発作時のみでなく発作間欠期において、短時間の手術中解析においてもMI値の同定がてんかん領域の拡がりを示すことができ、手術成績を向上させ得る事を示した。(Seizure 2022) 5.側頭葉てんかん患者の頭蓋内脳波による発作時脳波を用いて発作起始部位と周辺の因果関係指数を算出した。発作起始においててんかん焦点から周囲にFast ripple帯域(250-500Hz)の因果関係指数が上昇し、発作が惹起されることが分かった。その直後に周辺から発作起始部位に10-30Hzの因果関係指数が一過性に上昇することも示された。(IEEE Trans Biomed Eng 2024)これらの電気生理学的な解析を統合するとともに、意義を解明することが次なる課題である。
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