研究課題/領域番号 |
21K09166
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
埜中 正博 関西医科大学, 医学部, 教授 (90577462)
|
研究分担者 |
林 美樹夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (10368251)
岩田 亮一 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60580446)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | グリオーマ / がん幹細胞 / ネオアンチゲン / 脳腫瘍 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの再発や転移の原因として、がん幹細胞の存在が注目されている。がん幹細胞は、自己複製能と通常のがん細胞への分化能を備え、治療に抵抗性を示す。申請者は、グリオーマ由来のがん幹細胞における遺伝子発現を網羅的に解析し、複数のネオアンチゲンを同定した。本研究は、がんの根源のネオアンチゲンを同定し、モノクローナル抗体とペプチドワクチンをパッケージした診断・免疫療法の開発を目ざす。
|
研究実績の概要 |
膠芽腫はあらゆる年齢に発生し、原発性脳腫瘍で最も多い腫瘍である。外科的摘出・放射線治療・化学療法などの集学的治療を行っても、腫瘍は再発し腫瘍死を免れない。平均生存期間は約1年で、ここ数十年目立った予後の改善がない難治性腫瘍のひとつである。この治療抵抗性の原因として、がん幹細胞の存在が提唱されている。がん幹細胞が少数でも残存してしまうことで、がん根治が困難となっているという概念である。私たちは、膠芽腫由来のがん幹細胞におけるがん特異的抗原(ネオアンチゲン)を探索するために、RNAシーケンスで網羅的に遺伝子発現を解析した。その結果、悪性腫瘍疾患において開発がすすめられている複数のネオアンチゲン(WT1,IL13Rα2,MAGEA3,MUC1)を同定した。従来のネオアンチゲンによる、脳腫瘍に対する免疫療法は患者の生存期間を延長しているが、根治には至っていない。その理由として、標的タンパク質の遺伝子が変異している場合は、がん幹細胞はネオアンチゲンを発現していない可能性がある。そこで同定したネオアンチゲンについて、遺伝子変異、スプライシングバリアント、融合遺伝子を解析した。しかし、これら4種の分子において、がん幹細胞に特異的な遺伝子変異は検出されなかった。従って、膠芽腫由来のがん幹細胞における遺伝子解析の探索範囲を広げた。その結果、新たに7種類のネオアンチゲンを見いだした。これらのネオアンチゲンは、膠芽腫の治療の標的になる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膠芽腫由来のがん幹細胞において、新たに7種類のネオアンチゲンを見いだした。
|
今後の研究の推進方策 |
がん幹細胞における、新たに見いだしたネオアンチゲンのタンパク質の発現を検証する。
|