研究課題/領域番号 |
21K09190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
矢木 亮吉 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00632283)
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研究分担者 |
鰐渕 昌彦 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (30343388)
野々口 直助 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70388263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 悪性神経膠腫 / ACTC1 / ACTC2 / 細胞遊走能 / 葉状仮足形成能 / 悪性脳腫瘍 / ACTA2 / 悪性髄膜腫 / ACTC1遺伝子 / 低酸素暴露 / 浸潤能 / ACTC-1 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性髄膜腫は放射線治療に対する感受性が低く、奏効が期待できる薬物療法が存在しない悪性腫瘍である。さらに、悪性髄膜腫は良性髄膜腫と比較し、摘出術後の再発率が有意に高く、強い浸潤能を示すが、その浸潤機構の詳細は未だ不明である。Actin Alpha Cardiac Muscle1(ACTC1)は、悪性神経膠腫の細胞浸潤能に関与することを報告した分子であり、胎生幹細胞や間葉系幹細胞において高発現が見られる遺伝子である。 本研究は間葉系腫瘍である悪性髄膜腫の浸潤能にACTC1が与える影響を明らかにし、ACTC1と共発現変動する遺伝子を解析することで悪性髄膜腫の細胞浸潤におけるメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
in vitroでは、悪性神経膠腫細胞株にてACTC1やACTA2の遺伝子抑制を行い、ACTC1-KD株、ACTA2-KD株、ACTC1/ACTA2-KD株はいずれも、コントロール群と比較して細胞遊走能および葉状仮足形成能が抑制されていた。臨床例では、悪性神経膠腫におけるACTA2発現量が、初発例ではWHO grade 4はgrade 3と比較して高く、再発例では初発時よりも高値であった。以上より、ACTA2は悪性神経膠腫細胞における葉状仮足形成と細胞遊走に関与し、臨床検体においても再発時腫瘍におけるACTA2発現の上昇が悪性神経膠腫患者における予後不良因子であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人神経膠腫の40%を占める悪性神経膠腫はWHO Grade4に分類される原発性脳腫瘍であり、最も予後不良な悪性腫瘍のひとつである。本研究では、悪性神経膠腫における腫瘍浸潤や再発に関与する遺伝子として、ACTC2が関与している可能性を示した。今後、ACTC2に関与する遺伝子を検索することが、意義のある研究であることを示す根拠となったと考える。またACTC2を標的とした薬剤を開発する事により、悪性神経膠腫の長期生存を実現させる可能性があるため、有用な研究結果と考える。
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