研究課題/領域番号 |
21K09193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
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研究分担者 |
広畑 優 久留米大学, 医学部, 教授 (40218863)
長谷川 雄 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (40599114)
折戸 公彦 久留米大学, 医学部, 講師 (50597408)
坂田 清彦 久留米大学, 医学部, 准教授 (90368936)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳内出血 / Leakage sign / 血腫増大 / 降圧療法 / 血圧管理 / 再出血 / 脳出血 / 血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは今までに脳内出血の血腫が徐々に増大していることを明らかにした。このことから超早期から開始する選択的積極的降圧による新たな治療法を確立するための研究を行う。1)脳出血の超早期診断方法(スコアリング表、新規診断機材の開発)を模索し、発症から搬送までの超早期の積極的な降圧療法開始を可能にする。2)搬入後造影CTにて出血増大高リスク患者(Leakage sign陽性患者)を選択し選択的・短時間・強力な降圧治療法を行う(前向き多施設共同研究)3)ラット脳出血モデルにより“短時間積極的降圧療法”の病理学的安全性を検討する。これらにより今まであきらめられていた脳内出血の転帰を改善させる方法を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究の予定は3部に分かれていたため各項目について報告する 1)病院前診断方法の開発については救急隊員へのアンケートはコロナ禍により予定通りの進行は見られなかった。しかし次に安全な方法として超音波検査にて頭蓋内の状況が把握できれば有用ではないかと考えた。超音波プローブのメーカーに相談しまず動物実験を計画した。現在超音波(エコー)プローブ作成メーカーと共同して豚の頭蓋骨を用いて通過して血腫を検出できる条件を模索中である。 2)当科救命センターに搬入されたLeakage sign 陽性例46例を無作為に振り分けて強化降圧(6時間のみ120mmHg以下)と通常治療群に分けて治療を行なう前向き試験を開始した。強化降圧群(19例)では出血増大が10.5%に出現したがこれは強化降圧を行わない群と比較して優位に出血増大を抑制していた。また6時間の短時間の強化降圧治療では腎機能障害などの副作用は見られなかった。これらの結果を踏まえて現在いくつかの施設が参加承諾した施設共同前向き試験が進行中である。 3)脳出血モデルにおける積極降圧治療の実験;ラットを全身麻酔下に定位的手法を用いて自家血100 micro liter 大脳基底核に注入した。その後腎除神経(腎denervation)手術を行なった群(積極的低血圧作成群)と偽手術群(通常血圧群)を作成した。この2群では24時間後の体重変化はなかったが腎除神経群では神経所見が優位に改善しており脳浮腫も明らかに減少していた。少なくとも脳出血モデルにおける低血圧誘導は少なくとも短時間では脳保護の作用があることが明らかになった。 今後もこれらの研究を継続してゆく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り予定していた研究をある程度進行できているがコロナ禍でなければもうすこし進行していると考えられる
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今後の研究の推進方策 |
1)頭蓋骨が存在しても脳内血腫の有無が判別できる超音波の条件を決めその安全性を検討する 2)多施設共同研究をさらに推進し症例数を集めて統計学的に有用なデーターとする 3)動物実験をもう少し数を増やし組織学的検討を行う
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