研究課題/領域番号 |
21K09211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
木戸 勇介 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (60895738)
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研究分担者 |
橋爪 洋 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10326382)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60401064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子どもロコモ / 運動器健診 / 片脚立ち上がりテスト / 新体力テスト / 立ち上がりテスト / 運動器検診 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、子どもの身体に異変が生じている。現代日本において、過剰な運動によるスポーツ障害の発生と、運動不足による運動器機能低下という二極化が深刻な問題である。特に運動機能低下とそれに起因する愁訴に関しては昨今のコロナ禍により、拍車をかけて進行する可能性が高く、早急に現状調査と介入が必要である。そこで今回、和歌山県かつらぎ町において学童期の運動器検診を行う。児童生徒の生活・運動習慣と、運動機能・運動器の愁訴との関連を調査し、生活様式の改善と継続可能な運動プログラムを指導することの効果を検証する。3年間の研究で整形外科医による運動器検診と、それに引き続く生活・運動習慣指導体制を確立させる。
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研究実績の概要 |
これまでの学校運動器健診の結果、現在の子どもロコモの判定基準では「柔軟性が低い」ことを「運動器の健康が損なわれている状態(子どもロコモ)」と判定しており、運動不足や運動能力の低下を正確に表していない可能性が示唆された。 そこで、新たな検査項目として「片脚立ち上がりテスト」を提案した。このテストは成人のロコモ診断基準として既に用いられており、下肢筋力や足関節可動域、姿勢やバランス能力との関連が多く報告されている。しかし、子どもの運動器健診で用いた報告はまだない。成人のロコモ診断基準は、日常生活を不自由なく送るために必要な40cm台からの立ち上がりの可否だが、今回の学校運動器健診では、走る・跳ぶなどの基本的な運動動作に必要な20cm台からの立ち上がり可否を基準とした。 2022年度の運動器検診では、かつらぎ町の全小学生(543名)を対象にこのテストを実施した。その結果、20cmの高さから片脚で立ち上がれた子どもは全体の53.1%であった。また、体格や運動習慣の有無など、いくつかの要因との関連も見られた。これらの結果は2023年度の日本学校保健学会で報告済みで、2024年5月の日本整形外科学会でも報告予定である。 さらに、2023年度には片脚立ち上がりテストを含む運動器健診を、かつらぎ町の全小中学生を対象に実施し、新体力テストとの関連を解析している。その結果を2024年10月の中部日本整形外科災害外科学会や2025年の日本整形外科学会で報告できるよう準備中で、英語論文への投稿も予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、新型コロナウイルス感染症蔓延の遷延により、進行が遅れていた。2022年後半より健診業務を再開することが出来ており、本年度で主要学会への報告や英文誌への投稿を完成させられると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
上記に記載した通り、主要学会での報告と、英文誌への投稿を進める。また、運動器健診業務は今後も引き続き継続していく予定である。運動介入による縦断研究へと移行し、当初目標としていた、いかにして子どもの運動器の健康を保つか、といった課題に取り組んでいく予定である。
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