研究課題/領域番号 |
21K09215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
熊井 司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (40382288)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 踵部脂肪体 / 荷重 / 超音波画像診断装置 / 体外衝撃波 / 超音波 / 踵部痛 / エラストグラフィ / 体外衝撃波治療 |
研究開始時の研究の概要 |
踵に存在する脂肪組織(踵部脂肪体)は、踵部痛好発時期にあたる40代を境に薄くなる。踵部脂肪体は歩行・走行接地時に変形することで衝撃を緩和する弾性機能を有するため、形態的変化に加え、力学的変化が生じている可能性が示唆される。そこで本研究では、超音波画像診断装置を用いて踵部脂肪体の形態的変化に伴う力学的特性変化を明らかにする。また近年、踵部痛においても良好な治療報告が見られる体外衝撃波治療(ESWT)を用いて踵部痛治癒過程における踵部脂肪体の形態的・力学的特性変化を定量評価する。
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研究実績の概要 |
①踵部脂肪体の荷重形態変化測定に向けた評価器具の開発:荷重及び抜重時の踵部脂肪体動態を、超音波画像診断装置を用いて明らかにすることに成功した。この成果は既に国際誌で2編掲載されており、現在も同装置を用いた発展研究に取り組んでいる。 ②踵部脂肪体の力学的特性(弾性)評価:踵部脂肪体は荷重に伴い弾性が高くなる。開発した評価器具を用いて、荷重量を調節しながら測定を行ったところ、体重の約20%~30%までの荷重量であれば、踵部脂肪体の弾性を測定することが可能であるこが明らかとなっている。現在は、荷重量を増やしても安定した値が測定出来るよう、研究に取り組んでいる。 ③踵部痛治癒過程における踵部脂肪体の形態的・力学的特性変化:踵部痛患者に対する治療法として、理学療法や注射、内服よりも体外衝撃波が有効であると報告されている。弾性線維の変性・破壊、健全な脂肪組織の減少・流出などによる菲薄化(形態的変化)が見られる踵部痛においても有効であることから、形態的特性に影響を与える可能性が推察され、また、それに伴う力学的特性変化が生じている可能性が示唆されるものの、未解明のままであった。現在、踵部痛を有する大学生アスリートを対象に体外衝撃波治療を行い、形態的変化と力学的変化を実施している。対象者が中々集まらない為、現在病院などへの協力準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年(令和4年度)は、踵部脂肪体の荷重及び抜重に伴う形態特性(厚さ)変化及び弾性変化を中心に、測定を行った。昨年に引き続き、荷重装置を用いた測定は日本足の外科学会、日本臨床スポーツ医学会及び、講演会などで発表し、継続して研究成果を報告している。また、国際誌に既に2編掲載され、現在も2編投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年新型コロナウイルスにより、実施が延期されていた踵部痛患者に対する体外衝撃波の照射を現在進めており、今年度の学会でその成果を報告する準備を進めている。現在は、大学に所属するアスリートを対象に踵部痛患者のリクルートを実施しているが、対象者数が中々集まりにくい為、病院でのリクルート準備を進めている。また、スポーツ種目別に踵部脂肪体の形態的・力学的特性の調査を進めたところ、活動サーフェスによって踵部脂肪体の形態的・力学的特性に差異が生じる可能性が現在解析を進めて分かってきた。今後更に解析を進め、学会での発表及び国際誌への投稿を予定している。
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