研究課題/領域番号 |
21K09216
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
村上 康平 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (60791837)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | WNTシグナル / 骨代謝 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / SFRP5 / 骨形成 / Sfrp5 / Wntシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
WNTシグナルは骨形成を促進するシグナルであり、多くのWNTアンタゴニストは骨形成を抑制する。そのため、骨粗鬆症の治療標的として、WNTアンタゴニストに関する研究が世界各国で進められている。Secreted frizzled-related protein 5(Sfrp5)は、脂肪細胞のみが分泌するWNTアンタゴニストである。申請者はSfrp5欠損マウスの骨を解析し、Sfrp5が破骨細胞形成を抑制し、骨芽細胞の分化を促進することを発見した。本申請課題では、Sfrp5の骨代謝調節メカニズムを明らかにし、WNTアンタゴニストSfrpファミリーの新たな一面を解き明かす。
|
研究成果の概要 |
Sfrp5と相互作用する120種類の蛋白質を同定した。このうち7つについて、ノックダウンを行ったが、Sfrp5の作用を打ち消す作用は認めず、Sfrp5が骨芽細胞に作用する上で相互作用する因子は同定できなかった。 微量転写開始点解析技術を行い、Sfrp5が活性化する転写因子としてEgr1を同定した。Egr1をノックダウンしたところ、Sfrp5の作用が消失したことから、Sfrp5はEgr1を活性化し、骨芽細胞の分化を促進することが示唆された。 生体に対する作用を確かめるため、Sfrp5を過剰発現するアデノ随伴ウイルスをマウスに投与したところ、破骨細胞の形成は抑制されたが、骨量の増加が観察されなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題はWNTアンタゴニストとして知られているSFRP5が、WNT非依存的に骨芽細胞に作用するという仮説に基づいて実験を行った。その結果、転写因子Egr1を活性化することで骨芽細胞に作用していることがわかった。Egr1はERK経路などのMAPKシグナル伝達経路の下流に位置する。今後、SFRP5がどのようにEgr1を活性化するのかを解明できれば、骨代謝や発生において中心的な役割を果たすWNTシグナルの新たな一面を明らかにし、様々な分野への応用が期待できる。
|