研究課題/領域番号 |
21K09223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
淺野 陽平 金沢大学, 附属病院, 医員 (10868194)
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研究分担者 |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40227434)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 液体窒素処理 / 悪性骨・軟部腫瘍 / 生物学的再建 / Masquelet法 / Induced membrane / 液体窒素処理骨 / 悪性骨軟部腫瘍 / 長管骨骨軟部腫瘍 / 液体窒素 / 腫瘍処理骨 / 再建 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,悪性骨軟部腫瘍に対する腫瘍切除後の欠損部に対する液体窒素処理骨を用いた再建において,処理骨の骨癒合を促進するために,処理骨周囲に形成される膜組織の機能解明を目的とする.動物実験においてラットの大腿骨に骨欠損を作成後,同部位に液体窒素処理した骨を留置し,処理骨表面に形成される膜組織を解析する.解析方法は,膜組織の病理組織学的検査と,膜内の骨形成関連因子の発現をリアルタイムPCR,ウェスタンブロッティングで調査する.その後,膜組織の移植モデルや,膜組織内への自家骨移植モデルなどを作製し,骨形成過程の画像評価を行い,処理骨の骨癒合促進または処理骨を用いた新たな再建方法の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
2023年度の研究経過は,当初の研究予定スケジュールの7割程度の達成を見込んでいる.特に,本研究の解析のメインである液体窒素処理骨の周囲に形成される膜組織の病理組織解析と,自家骨移植モデルを用いた骨形成の放射線学的解析をほぼ達成できた. 2022年度の研究経過において難渋したモデル作製時の感染や,創外固定のピンサイトでの骨折・ゆるみの問題は,適切な抗生剤使用とピン刺入前のプレドリリング手技の確立によってほとんどのモデルで解決できた.その甲斐もあり,解析可能なサンプル数の増加によって各解析の滞りが解消され,学会などにおいて使用可能な解析結果を複数得ることができた.2023年度では,昨年進められた病理組織解析において,骨形成関連因子(BMP2,TGF-B1,VEGF)の発現関する免疫染色を遂行でき,リアルタイムPCRにおいても各因子の発現を解析できた.さらに,膜組織の実際の骨形成促進能について,自家海綿骨移植モデルを使用した解析を進められた.解析途中ではあるものの,液体窒素処理骨群ではコントロールよりも膜組織内での高い骨形成促進能が確認できている.これらの解析結果の一部をまとめ,成果発表として国際学会での発表を行った.2023年8月に福岡で開催された19th Scientific Meeting of Asia Pacific Association of Surgical Tissue Banking (APASTB)において一般口演として発表し,Young Investigator Awardを受賞した.悪性骨軟部腫瘍に対する広範切除時の再建方法として世界中で広く使用されている液体窒素処理骨再建は,学会においても高い関心を得ており,本解析結果も高く評価される結果であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在の研究状況として,当初の研究予定スケジュールの7割程度の達成を見込んでおり,おおむねスケジュール通りか,やや遅れている可能性がある.2022年度まで難渋していた実験の動物モデル作製は,対応策によって解決できているものの,いまだ2割程度に感染・骨折などによるモデルの途中離脱を認めている.また,病理組織解析における標本の切片作製と,リアルタイムPCRの手技に難渋していた時期があり,現在の実験スケジュール状況となっている.その影響もあり,予定していた液体窒素処理以外の処理方法による同様の実験が滞っている.ただ,一連の研究におけるモデル作製や解析の手技は確実に習熟しており,本年度は予定していたスケジュールに沿った研究の遂行が可能であると考える.
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今後の研究の推進方策 |
モデル作製や解析方法の手技は成熟しており,本年度は予定していたスケジュールの遂行を予定している.現段階では,研究スケジュールの変更点はなく,本年度は自家海綿骨移植モデルのよる膜組織の骨形成促進能の解析や,液体窒素処理以外の腫瘍処理方法による同様の解析を行う予定である.また,同時に各解析結果をまとめ,成果発表としての学会発表や論文作成にも着手する.
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