研究課題/領域番号 |
21K09237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩本 卓士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10348675)
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研究分担者 |
宮本 健史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70383768)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 外傷性異所性骨化 / 炎症性サイトカイン / TNF-α / mTOR / Rapamycin / 異所性骨化 / 外傷 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
外傷性の異所性骨化は、骨折・脱臼などの外傷に対する観血的手術後に生じることがあり、重度の関節拘縮・強直を引き起こし著明な日常生活動作の低下につながる。詳細な発生機序は不明であることから、確立した治療法および予防法がなく治療に難渋する。本研究は外傷性異所性骨化モデルマウスを作成し、様々なサイトカイン環境下での骨化病巣の評価を定量的および定性的に行うことで異所性骨化に対する炎症性サイトカインの関与を検討する。さらに同定された候補サイトカインをターゲットとした阻害薬の投与をモデルマウスに行い、外傷性異所性骨化の病態解明に加えて新規治療法を探索することを本研究の最終目標とする。
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研究成果の概要 |
外傷性異所性骨化は、打撲、骨折、脱臼などの外傷後に関節周辺に発生し、関節可動域を制限する深刻な問題である。本研究では、外傷性異所性骨化の病態解明と新規治療法の探索を目的とした。異所性骨化モデルマウスを用い、TNFα-mTOR経路が外傷性異所性骨化に関与することを示した。TNFα欠損マウスやmTOR阻害薬を用いた実験により、TNFαとmTORシグナルが異所性骨化の発生に重要であることが確認された。これにより、NSAIDsやmTOR阻害薬による予防的治療の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、外傷性異所性骨化の病態メカニズムにおけるTNFα-mTOR経路の関与を明らかにしたことである。これにより、異所性骨化の発生に関わる分子機序の理解が深まり、新たな治療標的の発見につながった。また、NSAIDsやmTOR阻害薬が有効であることを示したことで、既存薬を用いた新たな治療法の開発が期待される。 社会的意義としては、外傷後の異所性骨化による関節の可動域制限や再発を防止し、患者の生活の質(QOL)を大幅に向上させる可能性がある点である。特に、外傷後早期に効果的な予防治療を提供することで、治療期間の短縮や医療費の削減に寄与することが期待される。
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