研究課題/領域番号 |
21K09255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
鈴木 亨暢 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00445016)
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研究分担者 |
寺井 秀富 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20382046)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 終末糖化産物 / 糖尿病 / 黄色靭帯 / 腰部脊柱管狭窄症 / 終末糖化産物(AGEs) / 力学的ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
腰部脊柱管狭窄症は高齢者の歩行障害を引き起こす主要疾患である。黄色靭帯の肥厚は狭窄の主原因であるが、肥厚の分子機構は十分解明されておらず、治療のターゲットとすべき分子は未だ不明である。 本研究ではまず糖尿病ウサギ黄色靭帯肥厚モデルを用いて力学的ストレスと代謝応答の相互作用を検証し、その分子機構を解明する。次にヒト肥厚黄色靭帯での発現検証とヒト黄色靭帯細胞を用いた機能解析により候補分子を決定する。さらに候補分子を抑制する薬物療法の治療効果を上記ウサギモデルにて検証する。本研究によって黄色靭帯肥厚の分子メカニズムが判明し薬物治療モデルが確立されれば、新しい薬物治療法開発につながると考えられる。
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研究実績の概要 |
腰部脊柱管狭窄症は高齢者の歩行障害を引き起こす代表的疾患である。黄色靭帯の肥厚は狭窄の主原因であり、力学負荷が黄色靭帯肥厚に関与すると考えられているが、その分子メカニズムは未だ十分解明されていない。近年、加齢性慢性疾患の原因となる因子として終末糖化産物(Advanced Glycation Endproducts;AGEs)が注目されており、糖尿病患者で有病率の高い腰部脊柱管狭窄症においてもAGEsが黄色靭帯の肥厚に関与している可能性がある。 本研究の目的は糖尿動物モデル及び培養細胞を用いてAGEs及び力学負荷が黄色靭帯肥厚に与える影響とそのメカニズムを解明することである。 In vivoでは昨年度、Alloxanを用いて糖尿病モデルウサギの確立に成功したが、糖尿病モデルウサギを用いて金属プレートを使用した力学負荷モデルを作成した所、ほぼ全例でインプラント周囲の感染を認め、飼育継続は不能であった。そこでインプラントを用いないモデル作成が必要となり、過去にラットを用いたインプラントを使わない黄色靭帯肥厚モデルの報告があることから、本年度はラットの第5腰椎の棘突起及び第4/5腰椎間及び第5/6腰椎間の棘間靭帯を切除する事で力学負荷をかけるモデルを作成したが、術後8週時点では黄色靭帯の明らかな肥厚は認めなかった。一方でラットの腹腔内にStreptozotocinを投与する事で糖尿病モデルラットの確立に成功した。In vitroの実験では培養細胞へAGEsを投与した所、IL-6の増加傾向が認められた。 今後はIn vivoではまずは高血糖状態そのものが黄色靭帯組織に与える影響を組織学的に検討する。さらに棘突起及び棘間靭帯の切除に加え、椎間関節の一部を切除する事で黄色靭帯の肥厚を誘発出来ないか検討する。In vitroでは黄色靭帯細胞にAGEsを投与する事で活性酸素が増加するか評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖尿病モデル作成に投与する薬剤として膵島β細胞を破壊するAlloxan及びStreptozocinが報告されている。特に糖尿病ウサギモデルの作成ではAlloxanを用いた報告が多いため、今回我々はAlloxanを用いた糖尿病ウサギモデルの作成を試みた。しかし糖尿病モデルの作製に予想以上に時間を要した。最終的に単回高容量投与後にブドウ糖を経口投与することにより糖尿病モデルウサギの確立に成功した。次に糖尿病ウサギモデルを用いて金属プレートを使用した力学負荷モデルを作成したところほぼ全例でインプラント周囲の感染を認め、飼育継続は不可能であった。従って当初の計画にあった金属インプラントを用いた椎間固定による黄色靭帯肥厚モデルは糖尿病動物モデルには当てはめることが出来ないことが判明し、金属インプラントを使用しない動物モデルの確立が必要となった。そこでラットの第5腰椎の棘突起及び第4/5腰椎間及び第5/6腰椎間の棘間靭帯を切除するモデルを作成したが術後8週時点では黄色靭帯の明らかな肥厚は認めなかった。力学負荷が不十分である可能性があり、椎間関節の部分切除の追加など、モデル作成法の変更を要する。並行してラットの腹腔内にStreptozotocinを投与する事で糖尿病モデルラットの確立に成功したが、組織学的評価を行うためのAGEsやRAGEの一次抗体の選定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
In vivoの実験ではまずは高血糖状態そのものが黄色靭帯組織に与える影響をElastica Van Gieson染色、Toluidine Blue染色、AGEs免疫染色などにより組織学的に検討する。さらにインプラントを使用せずにメカニカルストレスを誘発するモデル作製が必要となるため、棘突起及び棘間靭帯の切除に加え、椎間関節の一部を切除する事で黄色靭帯の肥厚を誘発出来ないか検討する。 In vitroではAGEsそのものが黄色靭帯細胞において、肥厚メカニズムにおいて重要とされる細胞増殖や細胞移動能力にどの様な影響を与えるか、また炎症性サイトカインの発言にどの様に影響を与えるかを明らかにする。また過去に肩板細胞へAGEsを投与すると活性酸素を増大させることが報告されており、また活性酸素が黄色靭帯の肥厚を促進する事が報告されている事から、黄色靭帯細胞にAGEsを投与する事で活性酸素が増加するかについても評価を行う予定である。
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