研究課題/領域番号 |
21K09257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中山 タラントロバート 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00365298)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 肉腫 / リキッドバイオプシー / cfDNA |
研究開始時の研究の概要 |
「がんゲノム医療時代」の今,希少な疾患な上,病理診断,悪性度や発生部位が非常に多彩である骨軟部腫瘍こそ,がんゲノム情報を用いて患者ごとに適切な治療選択を行うことが極めて重要と考える.リキッドバイオプシーは低侵襲で,繰り返し検査が可能な診断法であり,「がんゲノム医療時代」の新しいがん遺伝子診断法として,他のがん種では早期診断や,新規治療標的の同定など,臨床応用に向けて,トランスレーショナル研究から臨床研究が活発に進行中である.本研究は,骨軟部腫瘍の患者を対象に,リキッドバイオプシー,特に血液中の循環DNA(cfDNA)を用いた病勢モニタリングの実用化を目指し,その基盤となるような解析を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,骨軟部腫瘍の患者を対象に,リキッドバイオプシー,特に血液中の循環DNA(cfDNA)を用いた病勢モニタリングの実用化を目指し,その基盤となるような解析を行うものです.初年度である2021年に,当院倫理委員会の承認を得て,本研究(2021年~)を開始しました. まず,cfDNA濃度と病勢変化(治療前後,再発の前後)との関連を解析すべく,悪性骨軟部腫瘍の患者さんの同意の下,研究用採血を行い,検体の収集を行いました.本研究のゴールは腫瘍組織とctDNAから検出される遺伝子変異,コピー数変異等の相関の解析を行うことですので、研究の効率化を考え,進行期の患者さんで,これまで保険診療等で腫瘍組織のゲノム解析を行った方々を主な対象として,病状の変化のタイミングを考慮しながら複数回,縦断的に血液検体の収集を行いました.希少がんである悪性骨軟部腫瘍(肉腫)の進行期の症例,は数に限りがありますので,1例でも多くの患者さんに協力を得られるよう研究を進めると同時に,病状の進行をみながら,臨床的に意味のある適切なタイミングで縦断的な採血(検体収集)を進めていきたいと考えています.2022年度以降は,症例集積をさらに進めるため,進行期の症例に限らず,術前と術後の比較をすべく、新規悪性骨軟部腫瘍の患者さんにも同意を頂き,組織と血液の保存を行いました.2021年度からのべ40検体の収集を行いました.得られた検体はFreezerに保管していますが,一定数集まった段階で,核酸の抽出を行い,cfDNAの濃度測定を行っています. 悪性骨軟部腫瘍は希少がんですので、本研究の対象となる新規患者数にどうしても増減の波があります。2023年度は症例集積・検体収集が想定ほど進みませんでしたので、研究計画全体を1年延長させて頂きました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は適切な検体収集が極めて重要になります.2021年度からのべ40検体の収集を行いました.得られた検体はFreezerに保管していますが,一定数集まった段階で,核酸の抽出を行い,cfDNAの濃度測定を行っています. 本研究の「問い」に対する解析を行うためには,さらに多くの検体数が必要と考えています.希少がんである悪性骨軟部腫瘍(肉腫)の進行期の症例,は数に限りがありますので,1例でも多くの患者さんに協力を得られるよう研究を進めると同時に,病状の進行をみながら,臨床的に意味のある適切なタイミングで縦断的な採血(検体収集)を進めていきたいと考え,検体の集積を丁寧に行っています.また,対象とする症例を進行期症例と限定せずに,新規悪性骨軟部腫瘍患者にも広げ,検体収集を進めています.術前,術後の血液検体を用いて解析を進めることで,体内の残存腫瘍量とcfDNA濃度の関連を解析することが可能と考えています.適切な症例,適切なタイミングで,引き続き検体収集を行ってまいります. 2023年度は症例集積・検体収集が想定ほど進みませんでしたので、研究計画全体を1年延長させて頂きました。
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今後の研究の推進方策 |
cfDNA濃度と病勢変化(治療前後,再発の前後)との関連を示すためには,より多くの症例から,縦断的に血液検体の収集が必要ですので,2024年度も引き続き症例登録および検体収集を進めていきます.並行して,得られた血液検体からcfDNA濃度を測定し,cfDNA濃度と骨軟部腫瘍の病勢の変化との関連を解析します. また,現在,2022年度以降に収集した新規症例のゲノム解析が進んでいますので,得られた結果の考察を進める予定です. さらに,本研究の「問い」であるリキッドバイオプシー(ctDNA)を用いて骨軟部腫瘍の病勢モニタリングを行うためには,骨軟部腫瘍においても,他のがん種と同様に腫瘍組織から検出される遺伝子変異とctDNAから検出される遺伝子変異が高率に一致する必要があり,それを検証します.具体的には,症例数が蓄積された段階で,cfDNAのゲノム解析を行い,同一症例の腫瘍組織から検出される遺伝子変異との比較を行います. 現在も継続して,得られた血液検体から核酸を抽出し,cfDNA濃度を測定しています.また,新規悪性骨軟部腫瘍の症例の手術検体から核酸を抽出し,ゲノム解析を進めています.今後は臨床情報(画像情報,治療の詳細)と併せて解析することで,cfDNA濃度と骨軟部腫瘍の病勢の変化との関連を明らかにしたいと考えています。
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