研究課題/領域番号 |
21K09265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
高木 岳彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児外科系専門診療部, 部長 (00348682)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 義手 / 上肢形成不全 / 先天性上肢欠損 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性の欠損肢(先天性横軸形成障害(上肢欠損))により生じる機能障害に対し、すべり軸受け機構を有する指関節の作成を中心に、様々な工夫を凝らして耐久性のある、低コストの義手開発を進める。また、インフォームド・コンセントの得られた患児に義手を装着してもらい、うまく動機づけを与えながらリハビリテーションを行い、効率の良い末梢動作を義手に与える。また機能評価を行い、その結果より装着至適年齢等を検討して治療方針作成へと進めて行く。なお、これらの研究は主に義手の開発研究に携わっている電気通信大学横井研究室等との連携を取りながら遂行していく。
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研究実績の概要 |
1.末梢(手関節、手掌)の形成不全に対応した小型モーター搭載の筋電義手 2.末梢(手指)の形成不全に対応した能動指義手 3.その他特殊形成不全に対応した位置センサ搭載の電動義手 の3つのタイプの義手製作を柱に行ってきた。 1.については先天性手指形成不全患者に手関節の肢位によらず独立して手指屈伸運動が面筋電図による筋収縮所見で可能であることが確認された。その上で、人の動きを義手が学習する(義手が自分の動きに合わせる)AI技術を搭載した筋電義手を開発し、実際に手関節の肢位によらず義手の手指の屈伸運動が可能であることを確認した。具体的にはこの筋電義手に手指の屈伸運動の筋電パターンを覚えこませ、いざ筋電義手を装着した際に「指を握る」と指令を加えたときに手指屈曲の表面筋電位が発生しそれにより実際の義手の手指が握る動作に入ることになる。そうすることで、義手そのものに人の筋電位を人のくせを学習させてしまいそのくせをもって義手が動くので、機能面でもよりこのタイプの義手が自分にフィットしたものとなることが示唆された。 2.については特に上肢形成不全の中でも多い末梢の手指形成不全の患児に対しての需要は多く、必ずしも筋電を利用しなくても残存手指で義手の操作が可能であるため、残存手指の動きを利用してその他の指も連動させて動かせるように能動指義手の開発に重点を置いた。 3.の特殊形成不全に対しては残存筋が存在するためそれを利用した筋電義手について試行錯誤を繰り返したが、例えばフォコメリアと呼ばれる胸部あるいは上腕骨に直接手部が付着する病態を有する形成不全には手指の動きは保持されているためこの動きに対して近接センサを使用して作動する義手を開発した。玩具の把持を含めた義手の手指屈伸動作に成功したが、患者が残存する指を動かすだけで作動可能となったため、小児でも容易に理解することができる義手となった。
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