研究課題/領域番号 |
21K09273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
平川 明弘 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (50422720)
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研究分担者 |
河村 真吾 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30456511)
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 未分化Schwann細胞 / 末梢神経再生 / PI3K/Aktシグナル / Wnt /β-catenin シグナル / 末梢神経損傷 / 脱分化 / PI3K/Akt シグナル / Wnt/β-catenin シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
末梢神経損傷においてSchwann 細胞が脱分化することによって生じる未分化Schwann 細胞が神経細胞の生存や再髄鞘化、再生軸索の誘導・伸長に大きな役割を果たすことが示唆されている。 そこで本研究ではSchwann 細胞特異的遺伝子改変マウスを用いて、Schwann 細胞の脱分化シグナル経路や未分化 Schwann 細胞の形質維持に必須の候補遺伝子を明らかにする計画である。 さらに脱分化シグナルに作用するシード化合物を同定することや、ダイレクトリプログラミング手技を用いて未分化 Schwann 細胞を誘導することにより、全く新しい末梢神経再生医療を目指すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
坐骨神経損傷後のシュワン細胞脱分化におけるPI3K/Aktシグナルの関与を解析するため、Schwann 細胞特異的遺伝子改変マウス:Sox10-CreERT2マウスとPten flox(gain of function)マウス、Rosa26-stop-Pten(loss of function)マウスを交配し、Sox10-CreERT2/Pten flox/floxおよび、Sox10-CreERT2/Rosa26-stop-Ptenを作製した。 同様にWnt/β-cateninシグナルの関与を解析するため、Sox10-CreERT2マウスとβ-catenin ex3 flox(gain of function)、 β-catenin ex2-6 floxマウス(loss of function)を交配し、Sox10-CreERT2/β-catenin ex3 flox 、Sox10-CreERT2/β-catenin ex2-6 flox/floxを作製した。 Sox10-CreERT2/Pten flox/floxマウスにタモキシフェンおよびcorn oil(コントロール)を投与後、坐骨神経損傷モデルを作製した。受傷後5日目、28日目に組織標本を作製し、分化シュワン細胞マーカー(Mbp)、未分化シュワン細胞マーカー(Ngfr)、軸索マーカー(TujI)による免疫染色を行った。その結果、シュワン細胞におけるPI3K/Aktシグナル亢進によって、シュワン細胞の脱分化が遅延することが示唆された。 一方で、Sox10-CreERT2/Rosa26-stop-Ptenマウスにおいてはタモキシフェンを投与したが、Cre-LoxP反応が生じず、Ptenの過剰発現が誘導できなかった。 また、Sox10-CreERT2/β-catenin ex3 floxマウスにタモキシフェンを投与したが、コントロール群と比較し、坐骨神経の再生には変化を認めなかった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Sox10-CreERT2/Rosa26-stop-PtenマウスのCre-LoxPシステムが作動せず、その原因究明に時間を要したため。 また、Sox10-CreERT2/β-catenin ex3 floxマウスを解析したが、神経再生に変化を認めず、Wnt/β-catenin関連の動物実験を中止したため。
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今後の研究の推進方策 |
In vivo実験 表現型に差を認めたPI3K/Aktシグナルの解析を進めるため、Sox10-CreERT2/Pten flox/floxマウスを用いて坐骨神経損傷モデルを作製し、損傷後3日、5日、7日、14日、28日で坐骨神経損傷部のRNA、タンパク、組織標本を回収し、シュワン細胞の分化状態の変化、軸索伸長能を評価するとともに、下肢筋の神経再支配の程度をトレッドミル走行試験、下腿筋体積測定により評価する。 In vitro実験 マウス坐骨神経からのシュワン細胞培養プロトコールを用いて、シュワン細胞を培養する。培養シュワン細胞にPI3K/Aktシグナル agonistおよびantagonistを投与する。RNA、タンパクを回収し、未分化/分化シュワン細胞マーカーの変動および神経成長因子の発現の変化を解析する。
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