研究課題/領域番号 |
21K09302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
片岡 晶志 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (40301379)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アバロパラチド / ゾレドロン酸 / 骨癒合促進 / 骨粗鬆症 / ラット / 協調効果 / 骨折治癒促進 / ラット大腿骨骨折モデル / ラット大腿骨骨折 |
研究開始時の研究の概要 |
骨に対して同化作用を有するアバロパラチドと異化作用を有するゾレドロン酸を組み合わせることにより、2つの協調効果をラット大腿骨骨折治癒遷延モデルにおいて明らかにしたい。さらにこのモデルにおいて早期骨癒合の効果と血管新生の評価、骨質、力学的強度の評価について検討を行う。これまでのラット骨折モデルの研究では、低容量テリパラチドとゾレドロン酸を組み合わせることで、予想以上の結果を生み出すことを報告した。アバロパラチドはテリパラチドに比較して強力な骨形成作用が期待されており、本邦でも使用開始予定である。アバロパラチドの持つ急速な骨形成促進効果と骨吸収抑制剤との協調効果を明らかにし、臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
骨折治癒遷延は社会復帰の遅延を引き起こす.本研究ではアバロパラチドとゾレドロン酸の協調効果による骨折治癒促進効果について検討するために①軟X線撮影による骨癒合率の評価②協調作用の及ぼす骨代謝マーカーや骨標識によるリモデリング評価と非脱灰標本の検討およびマイクロCTによる骨形態計測②骨強度試験を行い力学的強度の検討③OVXモデルでも同様な実験を行い、骨粗鬆症下でも早期骨癒合が起こることを実証することを目標として挙げている. 【対象と方法】Sprague‐Dawley rat9週齢 雄40匹をコントロール群、アバロパラチド群(30μg/Kg, 皮下注、5日/週),ゾレドロン酸群(術直後にZA単回投与、0.1mg/kg、皮下注),アバロパラチド+ゾレドロン酸群の4群に振り分けた.右大腿骨骨切りモデル作成後8週で血清と両大腿骨を摘出し,大腿骨からは骨膜を採取し,RT-PCRにて骨形成・吸収遺伝子(Runx2,BMP2,RANKL)の発現量を評価した.さらに軟X線撮影,両大腿骨のマイクロCT撮影(SkyScan1176)、病理組織学的検査(非脱灰標本、Toluidin blue染色)を実施した.さらに3点曲げによる骨強度試験を実施した. 【結果】期待通りの結果であり、両者の協調効果により骨折治癒促進効果が明らかとなった。特にアバロパラチドのみでもかなりの骨折治癒促進効果が見られたが、ゾレドロン酸を投与することで、その効果は顕著となった(有意差あり) 【考察及び結論】両者の併用において,明らかな骨微細構造,骨癒合促進効果を認めることができた.骨折患者のみでなく、整形外科治療における計画的骨切り患者の早期社会復帰を可能にすると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初アバロパラチドの到着(米国の製薬会社から供与)が新型コロナ感染症のため遅れたがその後順調に進展した。残る実験はラット骨粗鬆症モデル(OVXモデル)での実験である(目標3)。これまでの実験は10週齢のラットを使用しており、骨のリモデリングは旺盛である。一方実臨床では高齢骨粗鬆症患者の骨折が多いのが現実であり、骨粗鬆症モデルでも確認が必要である。このためOVXモデルにおいても同様な実験をおこなうことは必須である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度一杯で実験は終了する。 アバロパラチドの骨折治癒促進効果は明らかとなった。しかしながらアバロパラチド単独での骨リモデリングの詳細が不明である。また他剤との併用時のリモデリングの状況において不明な点が多い。これを解決するために、独自の骨リモデリング制御機構の解明のための新規システムの開発をおこなう。これによって骨同化作用を持つ薬剤や,抗異化作用を持つ薬剤を検討し、2剤併用時のリモデリング制御をあきらかにする。
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