研究課題/領域番号 |
21K09305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
熊谷 研 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10468176)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 関節軟骨 / 力学的負荷 / スクレロスチン / 軟骨 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(OA)の発症や進行に関するメカニズムとして、Wnt/β-cateninシグナルを介した軟骨内骨化の関与に着目した。Wntのアンタゴニストであるスクレロスチンに焦点をあて研究を行う。本研究では、OAのような過剰な力学的負荷が加わる環境下において、スクレロスチンは軟骨内骨化を抑制し、関節軟骨の維持に作用するか、という点を明らかにする。本研究により、OAの発症や進行の予防に対する新しい指針や創薬につながる知見をもたらすことが期待される。
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(膝OA)の関節内において力学的環境が病態に及ぼす影響とスクレロスチン発現との関連について調査した。高位脛骨骨切り術により膝関節内の力学的環境が改善されると、OAに関連するマーカーの発現が減少し、Wnt/β-cateninシグナルのアンタゴニストであるスクレロスチンの発現が増加した。このことから、関節軟骨に対する力学的負荷軽減によるOAの病態改善にスクレロスチンが関連することが示唆された。しかしながら、関節軟骨に対する力学的負荷が直接的にWnt/β-cateninシグナルへ及ぼす影響については不明であり、今後さらなる調査が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、スクレロスチンは膝OAの関節内における力学的負荷に応答して発現し、OAの病態に重要な役割を果たしている可能性が示された。このメカニズムは関節軟骨に対する力学的負荷が炎症性サイトカイン放出や軟骨異化作用を惹起することに関連すると考えられ、今後の研究や臨床応用につながると考えられる。今後は、関節軟骨への力学的負荷とスクレロスチン発現との関係についてさらに調査を進め、OAの進行予防と治療戦略の開発につなげていくことが課題となる。
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