研究課題/領域番号 |
21K09320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野澤 聡 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20771679)
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研究分担者 |
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 低分子ヘパリン / 骨形成 / drug delivery system |
研究開始時の研究の概要 |
低分子ヘパリンにアスパラギン酸鎖、或いはグルタミン酸鎖といったペプチドをハイドロキシアパタイト(HA)へのキャリアとして修飾することにより、骨伝達能を有する低分子ヘパリンの開発に成功した。低分子ヘパリンは多くの成長因子と結合能を有している。今回の計画では、我々の作成した化合物とBMP-2を主とした成長因子を結合させ、コントロールに比し少ない容量の成長因子で骨形成を誘導させうるか評価していく。
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研究実績の概要 |
アスパラギン酸オクタペプチドを結合させた低分子ヘパリンにFITCを標識し、生後5日のマウスに皮下注射を行ったところ、24時間後には骨のみにFITCの蛍光が確認された。これにより、アスパラギン酸オクタペプチド結合低分子ヘパリンは骨(ハイドロキシアパタイト)特異的に結合することが証明された。
ラット脛骨骨欠損モデルへ、① コントロール(PBSのみ含浸させた人工骨 のみ留置)、② LMWH-D8のみ含浸させたもの、③ BMP-2 のみ含侵させたもの、④ LMWH-D8とBMP-2 を混合した上で人工骨に結合させたもの、を骨孔内へ留置し2週後の非脱灰切片にて骨形成を評価した。④ LMWH-D8とBMP-2併用群では人工骨の孔内部に有意に骨形成が見られ最も骨形成が促進されていた。
脊椎後側方固定動物モデル(PLFモデル)を用い、LMWH-D8とBMP-2を結合させた人工骨HAを横突起間に留置し、骨癒合を評価したところ、有意に骨癒合率が上昇していた。また、BMPの早期徐放拡散を疑わせる創治癒遅延・骨溶解・創部腫脹・異所性骨化といった合併症はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工骨を用いたラット腰椎後側方固定モデルにて、BMP-2と低分子ヘパリン併用群が有意に良好な骨癒合を呈していることを証明できたため。
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今後の研究の推進方策 |
アスパラギン酸オクタペプチド結合低分子ヘパリンの合成と精製は未だ実験室レベルの精製度である。今後は製薬会社と提携しGMPレベルの薬剤作成を行い効果を確認していく。
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