研究課題/領域番号 |
21K09331
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
吉岡 広陽 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (50523411)
|
研究分担者 |
吉子 裕二 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20263709)
河野 尚平 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00868391)
宮宗 秀伸 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (80422252)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 骨芽細胞 / 骨代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、骨芽細胞の一細胞遺伝子発現解析から、骨芽細胞が多様性に富む細胞集団であること、幹細胞性・可塑性を兼ね備えた骨芽細胞が存在することを見出している。本研究では、骨芽細胞が生み出す分化多様性と可塑性の分子機構を遺伝子発現調節ネットワークから追い求め、骨芽細胞の分化方向性を制御する分子の同定を試みる。将来、骨芽細胞の運命を左右する関連分子の制御により、骨代謝の改善、骨形成の促進が可能になると期待される。
|
研究実績の概要 |
骨芽細胞は骨形成を担った後、骨細胞や休止期骨芽細胞へと分化するほか、脂肪細胞へと分化転換する例も報告されている。また、我々は骨芽細胞が不均一な細胞集団であることをシングルセル遺伝子発現解析から見出しており、その不均一性・多様性が骨芽細胞の多様な運命の選択に寄与すると考えられた。本研究では、骨芽細胞が生み出す分化多様性と可塑性の分子機構を追い求め、骨芽細胞の分化方向性を制御する分子の同定を目指す。マウス頭蓋冠由来骨芽細胞のシングルセル遺伝子発現プロファイルをもとに、全遺伝子発現量の変動係数を解析した。その結果、FGF10およびFGFR2遺伝子に加え、複数の長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)が細胞間で発現量に多様性(揺らぎ)を示した。FGF10の過剰発現はマウス顎顔面の形態形成に影響を及ぼすことを報告した。また、マウス頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1へ機能候補lncRNAに対するsiRNAを導入し、ノックダウン実験を行った。石灰化誘導培地にて培養後、遺伝子発現解析、アルカリフォスファターゼ活性およびカルシウム沈着量の測定を行い、骨芽細胞の石灰化に与える影響を評価した。さらに、細胞増殖に与える影響についても評価した。その結果、siRNA処理群では、コントロール群と比較して、Runx2遺伝子およびAlpl遺伝子の有意な発現上昇を認めるとともに、アルカリフォスファターゼ活性およびカルシウム沈着量の有意な上昇も認めた。しかし、細胞増殖への影響は認められなかった。以上、候補lncRNAのノックダウンにより、骨芽細胞の分化が促進されたことから、骨芽細胞の分化(石灰化)抑制に機能するlncRNAを同定したと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育業務の負担増加に伴い、本研究に時間を割くことが難しく、遅れが生じている。1年間研究期間を延長させて頂き,当初の計画の達成を目指す。
|
今後の研究の推進方策 |
骨芽細胞の分化に抑制的に働くlncRNAについて、詳細な機能の解明を進める。骨組織での局在をin situハイブリダイゼーション法により明らかにする。特に、骨の発生・成長が盛んな胎仔期から離乳までのマウスを材料として、骨組織内の時空間的分布を明らかにし、発生・分化過程に与える役割を評価する。細胞内での局在については、in situハイブリダイゼーション法に加え、細胞分画ごとの発現解析を行い評価する。また、RNAプルダウンアッセイを行い、lncRNAと相互作用するタンパク質およびRNA分子の同定を試みる。以上の実験より、lncRNAの詳細な分子機構の解明を目指す。
|