研究課題/領域番号 |
21K09335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
小松 梨恵 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 研究技術員 (80517475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CDK6 / 滑膜線維芽細胞 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
SPACIA1は関節リウマチの病態形成に重要な役割を果たす「炎症に伴う滑膜線維芽細胞増殖」に着目した先行研究で同定され、関節炎モデルマウスの重度の病態の増悪に関わる因子であるが、その分子機構に対する理解は不十分である。本研究ではSPACIA1による発現制御を受けるCDK6に焦点をあて、炎症性サイトカイン刺激下の滑膜線維芽細胞増殖におけるSPACIA1/CDK6の分子レベルでの理解を進める。さらにSPACIA1/CDK6が関与する経路の阻害剤を特定し、関節炎モデルマウスにおける病態抑制の可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
個体レベルでは、既報の条件を参考に予備検討を実施し生物学的製剤の投与条件を確定した。さらに既存の阻害剤を投与したコラーゲン誘導関節炎マウスにおける初年度の病態解析の指標をもとに、抗関節炎効果を有する阻害剤および生物学的製剤の併用が研究代表者らの治療標的である「炎症に伴う滑膜線維芽細胞増殖」の病態改善に寄与するか評価した。その結果、単剤条件に比べて両剤の併用条件下で有意な病態改善効果を認めた。 細胞レベルでは、細胞周期制御因子であるCDK6が関与する細胞周期(G1期)関連の指標に加えて、初年度にSPACIA1/CDK6が関わると示唆された細胞周期(G1期)以外の指標についての検討を進めた。また、個体レベルで得られた知見をもとに阻害剤および生物学的製剤の併用に対する細胞内シグナルへの影響を検討した。その結果、細胞周期関連の指標のみならず細胞周期以外の指標についても、各単剤条件でのみ制御される経路および両剤の併用条件で有意に制御される経路を明らかにした(mRNAおよびタンパク質)。 研究代表者らが標的分子とするCDK6は滑膜線維芽細胞においてTNFαなどの炎症性サイトカイン刺激により発現誘導される因子であるにも関わらず、抗炎症性サイトカイン治療薬である生物学的製剤単剤条件またはCDK6阻害剤単剤条件では同程度の部分的な発現抑制レベルにとどまり、両剤併用条件下で有意な発現抑制を認めた。コラーゲン誘導関節炎マウスの結果からもCDK6阻害剤は生物学的製剤の作用点とは異なると考えられ、併用による関節炎の病態改善が期待できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リウマチ動物モデルについては、当初計画した時期は異なるものの、研究内容に沿った形で進行している。必要量の阻害剤を購入するコストと比較して生物学的製剤を用いた実験条件を確立するコストが低いと判断し、最終年度に評価予定であった生物学的製剤の抗関節炎効果に関する基礎実験を先行した。既存の阻害剤との併用の検討結果から得られたCDK6阻害の作用を最終年度に実施する関節炎の病態改善度の評価基準として用いる予定である。 培養細胞の実験系については、研究代表者らがこれまでに明らかにした細胞周期(G1期)関連の指標に加えてSPACIA1/CDK6が関わると示唆された指標に基づき阻害剤の選定を進めている。従来の細胞増殖に関する指標については、おおむね実験計画に支障なく、かつデータが順調に得られた。一方、細胞周期以外の指標については、阻害剤のみの効果量や標的因子のプロファイルの比較のみでは十分と言い切れず、他の作用の可能性も考えられた。CDK6が介する直接的な作用を明らかにするためsiRNAを使用した実験系で検証を進めており、その結果を踏まえてリウマチ動物モデルでの検討を開始する予定である。前年度の課題であったリウマチ由来のヒト滑膜線維芽細胞の検体数は、入手先を増やすことで改善できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
細胞レベルでの知見にもとづき阻害剤の選定を進める。今後リウマチ動物モデルでの検証を実施し、CDK6阻害剤の役割を明らかにする。現在、細胞レベルにおける阻害剤の評価を進めているが「炎症に伴う滑膜線維芽細胞増殖」については抗細胞増殖作用を示す結果を得ており、動物モデルにおいても抗関節炎効果が得られることが期待される。
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