研究課題/領域番号 |
21K09337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
濱田 俊介 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (90747289)
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研究分担者 |
細田 和貴 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 研究員 (00728412)
今釜 史郎 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40467288)
田口 歩 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 分野長 (50817567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨軟部肉腫 / PDXモデル / PDC / プロテオミクス / 細胞表面タンパク質 / 多層オミクス解析 / CRISPR-Cas9 / 合成致死 / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
希少がんである骨軟部肉腫においては、有効な化学療法は極めて限られている。本研究では、治療前の骨軟部肉腫患者から外科手術によって採取された腫瘍検体を用いて、患者腫瘍組織移植(PDX)モデルを作成し、サーフェスオーム解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。これにより、骨軟部肉腫の分子機構の解明と革新的細胞表面分子治療標的群の同定から、骨軟部肉腫の克服を目指す。
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研究実績の概要 |
希少がんである骨軟部肉腫の大部分を占める、脂肪肉腫、未分化多形肉腫,平滑筋肉腫,滑膜肉腫などの非円形細胞肉腫においては、化学療法あるいは放射線療法に対する感受性は低い。近年、トラベクテジン、エリブリン、さらに分子標的治療薬であるパゾパニブなどが開発されているものの、その効果は限定的であり、分子生物学的な知見に基づく新たな骨軟部肉腫治療法の開発は、喫緊かつ最重要の課題である。そこで、本研究では、プロテオミクスを用いた革新的なアプローチによって、骨軟部肉腫の克服に取り組む。細胞表面タンパク質は、がんにおいて機能的に重要な役割を果たしているだけでなく、その局在から、直接的な治療標的としても非常に有望である。細胞表面タンパク質は細胞内タンパク質に比べて極めて微量であることから、本研究では骨軟部肉腫患者から外科手術によって採取された腫瘍検体を用いて患者腫瘍組織移植(patient-derived xenograft; PDX)モデルを作成し、PDX腫瘍を用いて細胞表面タンパク質(サーフェスオーム)解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした多層オミクス解析を行い、悪性化機構の解明と革新的治療標的分子の同定を目指す。現在までに骨軟部肉腫13症例(滑膜肉腫2例、平滑筋肉腫1例、未分化多型肉腫4例、繊維肉腫4例、横紋筋肉腫1例、悪性末梢神経鞘腫1例)についてPDXモデルを作成し、このうち5症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(Patient-derived cells; PDC)を樹立できた。現在各PDX腫瘍のエクソーム解析、RNAシーケンス解析、プロテオーム解析を行っている。また、並行して、化学療法の感受性に関与する分子を網羅的に捕捉するために、PDCを用いてCRISPR-Cas9システムによるゲノムワイド機能スクリーニングを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、骨軟部肉腫13症例(滑膜肉腫2例、平滑筋肉腫1例、未分化多型肉腫4例、繊維肉腫4例、横紋筋肉腫1例、悪性末梢神経鞘腫1例)についてPDXモデルを作成し、このうち5症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(Patient-derived cells; PDC)を樹立できた。PDXモデルの作成効率は30%程度でほぼ予定通りの進捗である。また多層オミクス解析については、エクソーム解析、RNAシーケンス解析が完了し、プロテオーム解析を行っている。先行してゲノム解析を行った滑膜肉腫症例では滑膜肉腫に特徴的な融合遺伝子であるSS18-SSX1を含む一群の遺伝子異常が同定できた。
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今後の研究の推進方策 |
PDXモデルの作成を継続するとともに、多層オミクス解析を完了する。特に細胞表面タンパク質分子に着目して新規治療標的候補分子を選択し、機能解析を進める。また、Cas9発現PDC株を樹立し、パゾパニブなどと合成致死を示す遺伝子を網羅的にスクリーニングする。
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