研究課題/領域番号 |
21K09345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石津谷 祐 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00783854)
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研究分担者 |
植村 元秀 福島県立医科大学, 医学部, 特任教授 (40631015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 前立腺癌 / DNA損傷応答 / DNA損傷 / 合成致死性 |
研究開始時の研究の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌においてDNA損傷応答遺伝子の機能不全が高頻度にみられることが明らかとなり、治療への応用が期待されている。特に、DNA2本鎖切断に対する相同組み換え修復欠損症例に対してPARP阻害剤が新規治療薬として有望である。しかし、臨床試験においてその恩恵が示されているのは相同組み換え修復遺伝子の中でもBRCAなど一部の遺伝子の欠損症例のみである。DNA損傷応答やDNA複製に関連する遺伝子群に着目した機能喪失スクリーニングにより臨床試験の対象とならなかった潜在的な治療対象や、新規治療標的となる遺伝子を同定すること目指す。
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研究成果の概要 |
前立腺癌細胞においてPARP阻害剤の感受性に関与する遺伝子の候補を同定した。PARPと合成致死を示すことが既知である相同組み換え修復に関連する遺伝子群のみならず、塩基除去修復やDNA複製に関連する遺伝子の機能抑制によってPARP阻害剤の感受性が増強することが示された。同定した遺伝子の機能抑制により、前立腺癌細胞のPARP阻害剤によるDNA損傷が有意に増強し、アポトーシスに至ることが示された。また、前立腺癌組織で一定の頻度で変異を認めるTP53の機能不全により、前立腺癌細胞はPARP阻害剤耐性を獲得した。TP53機能不全とPARP阻害剤の効果との関連性を臨床検体を用いて検討を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬などが使用可能となった現在でも去勢抵抗性前立腺癌の予後は不良である。相同組み換え修復欠損(Homologous recombination deficiency : HRD)症例に対してPARP阻害剤が有効であるが、その対象となるのは一部の症例のみであり、対象症例もいずれ治療抵抗性となることが課題である。本研究により新たに同定されたPARP阻害剤の感受性に関連する遺伝子は、新規治療標的あるいはPARP阻害剤耐性の予測因子として有望である。
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