研究課題
基盤研究(C)
本研究では、前立腺癌が各種ホルモン療法への抵抗性獲得に重要なアンドロゲン合成酵素群の異常活性化の原因を明らかにすることを主な目的として研究を行う。具体的には、アンドロゲン合成酵素群の発現を調整する役割を果たしているNR5A2に着目して研究を行い、その詳細な機序を明らかにする。その結果、前立腺癌に対する画期的な治療および前立腺癌のホルモン療法の有効性を予測する新規診断への臨床応用が期待できる。
前立腺癌C4-2細胞において、抗アンドロゲン剤やアンドロゲン受容体の発現抑制によりアンドロゲン合成酵素であるHSD3B1が誘導されることが分かった。さらに、ダロルタミド耐性細胞ではHSD3B1の発現上昇を認め、HSD3B1の抑制にてダロルタミドへの感受性が増強されたため、HSD3B1がダロルタミド耐性に関与していることが示唆された。また、HSD3B1の発現調整因子について検討したところ、NR5A2(LRH-1)がHSD3B1の発現を調節しており、NR5A2の阻害により、HSD3B1の発現が抑制され、ダロルタミドへの感受性が増強されることが分かった。
本研究から、癌におけるアンドロゲン合成におけるNR5A2(LRH-1)が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、NR5A2/HSD3B1経路は前立腺癌の有望な治療標的であることが示された。今後、本経路を標的とした治療法の開発により、新たな前立腺癌の治療につながることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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