研究課題/領域番号 |
21K09350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
濱川 隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40595394)
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研究分担者 |
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00381830)
太田 裕也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20814255)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前立腺肥大症 / 線維化 / 間質 / 組織の硬さ |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺肥大症(BPH)は、前立腺の良性過形成により下部尿路機能障害を呈する疾患と定義されるが、必ずしも前立腺の体積と症状の重篤度は相関しない。私たちは、これまでにTGF-βの活性化因子であるTSP-1が、前立腺の間質過形成を誘導することを明らかにした。近年、TGF-βによる間質の線維化によって、組織が硬化することが指摘されている。本研究では、モデルラット、ヒト組織検体を用いて、TSP-1の産生、TGF-βを介した間質の線維化を評価し、線維化による前立腺間質の硬さの変化の定量化を試みる。また前立腺組織の硬さと排出障害の程度との相関の解析により、BPHの新たな治療戦略を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実施計画として、1. ヒト前立腺組織における線維化の検討、2.ヒト前立腺肥大症の症状と硬さの相関の検討を予定していた。前年度の研究実施計画のうち、「モデルラットの組織の硬さと前立腺間質の組成との相関の検討」について、組織の硬さを図る方法を検討していた。まず組織内圧を測定するため、整形外科分野でコンパートメント症候群で用いられる機器の使用を検討した。組織に針を穿刺し、組織内に生理食塩液を注入しその内圧を測定する方法であるが、組織に刺入する針が太くモデルラットの前立腺肥大組織に対して用いることが難しいと考えられた。現在、それ以外の代替方法として生体組織用の硬度計や他の組織内圧測定器具などが使用可能か検討している。1.に関しては、マッソントリクローム染色にて膠原繊維の発現を評価し、腺上皮、前立腺平滑筋との比率を検討すると、膠原線維の割合は30%から70%と幅を持って存在していた。膠原線維の比率とTGF-βやTSP-1などのEMTのマーカーとの相関を検討したが、相関はみられなかった。一方、平滑筋の比率との相関を検討するとこれらのマーカーとの正の相関が見られた。次に2.については、前立腺組織の硬さを測定する方法が確立することができておらず、前立腺肥大症によってもたらされる自覚症状の程度と、前立腺組織との硬さの相関の検討ができていない。現在、前立腺組織の硬度計測法の確立を目指して、その方法を模索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床医療業務との兼ね合いが難しく、研究の実施に必要な組織硬度測定法の検討などに遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
各共同研究者と協力し、硬度測定に使用可能な方法を検討し、効率の良い研究実施、評価を進めていく。
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