研究課題/領域番号 |
21K09351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
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研究分担者 |
加藤 大貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00620931)
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10621063)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
丸山 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50305546)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
中根 明宏 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70464568)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 精子幹細胞 / 甲状腺機能 / 精子形成 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは、泌尿器科領域の中でも小児・先天異常を対象に診療・研究を行っている。近年、男性生殖器の発達・成熟障害をきたす精巣形成不全症候群(Testicular dysgenesis syndrome:TDS)という疾患概念が提唱された。TDSでは、思春期のホルモン分泌障害による男性化・発育の障害、成人期の精子形成・性機能の障害を起こす。そこで本研究では、精巣機能のうち精子形成に重要な役割を持つ「精子幹細胞」の分化過程に着目し、甲状腺機能の作用メカニズム解明を目指す。本研究の成果は、TDS患児の精巣組織評価の新たな指標の確立につながり、新規内分泌療法など男性不妊症への治療応用も期待できる。
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研究実績の概要 |
精巣発育不全症候群(Testicular dysgenesis syndrome:TDS)における造精機能障害の原因の一つに、幼若期の精子幹細胞の分化異常が挙げられる。私たちはTDSを対象に、精子幹細胞の分化状態を反映するバイオマーカーを確立すべく基礎研究を進めてきた。精子幹細胞は周囲環境からシグナルを受けて前駆細胞から分化・増殖するとされているが、その全容は明らかでない。本研究では、TDS患児における精巣機能の指標を確立することを目指し、精子幹細胞の分化過程に甲状腺機能がどう関与するか解明することを目的とした。そこで本研究では、研究Ⅰ:精巣の器官培養系を用いたTSH作用機序の解明、研究Ⅱ:幼若精巣に対するT3/T4作用の解析、研究Ⅲ:甲状腺低下/亢進モデル動物における精巣組織の解析、研究Ⅳ:ヒト停留精巣・遊走精巣における甲状腺機能の検討、の4つを立案した。 本年度は、昨年度に引き続き研究Ⅰを行った。正常ラットの幼若期の精巣を採取し器官培養を繰り返し行い、安定して観察することが可能であることを確認した。また、研究Ⅳに関しては、先天性甲状腺機能低下症を合併した停留精巣・遊走精巣の精巣組織だけでなく、合併していない精巣組織についての検討も行った。生検で得られた精巣組織を利用し、生殖細胞の特異的マーカーであるDDX4抗体で免疫染色を行い、精細管あたりの精子形成細胞数をカウントした。本年度はこのカウント方法について根本的に見直しを行った。本学の研究室に新たに導入された顕微鏡BZ-X800(キーエンス、大阪)を用いて行った。プレパラート上の画像をコンピュータ内へ取り込み連結させたのち、定量解析ソフトウェアを用いて、精細管数および、内部の細胞数を自動で計測することに成功した。これらの操作によって、観察者の主観による揺らぎや計測間違いを減らし、より客観的なデータ解析が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究Ⅰに関しては、昨年から引き続き、器官培養した精巣組織を対象として精子幹細胞マーカーを用いた免疫染色を行う予定であったが、最適な条件検討に時間がかかっている。また、研究を進める上で、精子形成細胞だけでなくSertoli細胞の評価の必要性があると考えたため、Sertoli細胞を標識するマーカーを用いた免疫染色を進めている。 従来、HE染色や免疫染色による精巣組織の評価では、精細管内における精子形成細胞数や、特定のマーカーに染色陽性となる細胞数の計測が行われてきた。これらは従来、観察者によって目視あるいは取り込み画像上で計測してきたが、観察者の主観による検査結果の揺らぎ・ばらつきや、計測間違いといった問題点が指摘されており、より客観的な測定方法が求められてきた。そこで、今回私たちは、本研究だけでなく今後発展する研究にも関わるこの問題解決をめざし、顕微鏡を用いた自動計測系の確立を行った。この系の立ち上げに時間を必要とした。また、定量的な評価のため、フローサイトメトリーに取り組む予定であったが、手技的な問題から進展が遅れている。こうした理由から全体の研究計画はやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果によって、顕微鏡を用いた精巣組織の評価系を確立できたため、今後は、精巣の器官培養系を安定して確立できるようにするとともに、精子幹細胞およびSertoli細胞の免疫染色の条件検討を進め、安定的な評価ができる系の確立をめざしたい。フローサイトメトリーの実施に際しては、本学内の共同研究センターや実験施設の技術員や研究者ともミーティングを行い、手技的な問題を克服していきたい。研究Ⅲのうち、先天性甲状腺機能低下症モデル動物の作成は、予備的な実験を進めているため、本学実験動物研究教育センターの助言を得つつ、動物モデルの作成へ取り組んでいきたいと考えている。
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