研究課題/領域番号 |
21K09357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小路 直 東海大学, 医学部, 准教授 (50514890)
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研究分担者 |
小泉 憲裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10396765)
宮嶋 哲 東海大学, 医学部, 教授 (90245572)
上村 鋼平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (10805039)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 人工知能 / がん局在診断 / ナビゲーション / 前立腺がん標的局所療法 / 高密度焦点式超音波 / 排尿機能 / 性機能 / 前立腺がん / がん標的局所療法 / 人工知能技術 / 機能温存 / 高密度焦点式超音波療法 |
研究開始時の研究の概要 |
核磁気共鳴画像(MRI)-経直腸的超音波画像(TRUS)融合画像ガイド下前立腺生検により明らかになった限局性前立腺癌症例を対象とし、人工知能援用によるがん局在抽出・追従技術によりTRUS上に表示された癌存在領域に対して、高密度焦点式超音波療法をもちいて、がん標的局所療法(focal therapy)を実施する。主要評価項目を無再発生存割合、および尿失禁とする。臨床成績をロボット支援下手術症例のヒストリカルデータと後方視的に比較し、“前立腺がん標的局所療法”の有効性、安全性について検証し、標準治療の可能性について明らかにする。
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研究実績の概要 |
1. AI援用によるがん局在抽出・追従・モニタリング技術の確立 治療のガイドは、超音波画像(US)ガイド下に行われる一方、がん局在診断は、MRI上で行われる。このため、これまでに、われわれは、MRIとUSという異なる画像診断モダリティを頑健かつ高精度に対応づける手法を過去のMRIおよびUSを用いてプログラムを作成した。プロブラムは、深層学習を用いたAIによる前立腺の自動輪郭抽出と、異モダリティ間の対応づけ(レジストレーション)、つぎに抽出の際に導出したパラメータを用いた標的トラッキングにより、MRI上のがんの局在をUS上に正確に示すことに成功した。今後は、リアルタイムの生検時への応用により、“AI援用によるがん局在抽出・追従・モニタリング技術”としての確立を目指す。 2. 高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺がん標的局所療法の実施 限局性前立腺癌に対して、“AI援用によるがん局在抽出・追従・モニタリング技術”を使用しないで特定臨床研究として実施した240症例の臨床成績について、患者募集を終了し、解析を行なった。経過観察期間中央値42カ月間における生化学的非再発率(Phoenix ASTRO 使用, NCCNリスク分類)は、低リスク群: 92.6%、中リスク群(favorite): 86.7%、中リスク群(unfavorite): 88.3%、高リスク群: 87.5%と比較的良好であることが示され、今後の患者選択における重要な情報を得ることができた。本結果については、第61回日本癌治療学会学術集会において報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の柱である、“AI援用によるがん局在抽出・追従・モニタリング技術の確立”は、過去の複数のデータをすることで、プログラム作成は順調に行われており、今後の臨床導入は現実的である。さらに、もう一つの柱である、高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺がん標的局所療法の実施については、240例の臨床成績を解析する状況に入り、今後の症例選択や、治療技術への活用が期待されている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、“AI援用によるがん局在抽出・追従・モニタリング技術の確立”をまずは、前立腺生検において応用し、その正確性について、評価を行う。 これにより、正確性が確認された後は、実際に高密度焦点式超音波療法を用いた前立腺がん標的局所療法への活用を目指す。
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