研究課題/領域番号 |
21K09381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
長谷川 政徳 東海大学, 医学部, 准教授 (50383823)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フェロトーシス / 腎細胞癌 / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞の“脂質”に着目した治療法は、癌制圧に向けた全く新しい視点であり、これまでに他癌を含めて臨床応用されていない。本研究の目的は、腎細胞癌は生存、増殖のためにどのようにフェロトーシスから逃避しているのか、リポクオリティに注目した機序について解明し、その機序を介した腎細胞癌に対する新規治療戦略を確立することを目的とする。本研究によりフェロトーシスが腎細胞癌のバイオロジーに関与することが明らかとされれば、これまでに全く注目されていなかった“脂質”を標的とした癌治療法の開発がすすむと推測され、難治性腎細胞癌の治療を大きく進歩させることを期待して取り組む研究である。
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研究成果の概要 |
腎細胞癌細胞株に、PUFAであるアラキドン酸を培養液に添加し、フェロトーシス誘導剤であるGPX4阻害剤へ暴露したところ、感受性が増強した。一方でMUFAであるオレイン酸を添加すると感受性が低下した。de novoのMUFA合成責任酵素であるSCD1抑制はMUFAを抑制し、フェロトーシス感受性を上昇させることを明らかとし、SCD1阻害とGPX4阻害剤との併用は、フェロトーシスを介した総合的な癌制圧に有効であることが示唆された。また、腎細胞癌で臨床的に投与されるRapamycinに暴露しmTOR経路を抑制したところ、SCD1の発現が低下し、GPX4阻害剤への感受性が相乗的に上昇した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌細胞の脂質に着目した治療法は、癌制圧に向けた全く新しい視点であり、これまでに他癌を含めて臨床応用されていない。腎細胞癌の治療で一般に投与可能なラパマイシンがde novo MUFA合成経路の責任酵素であるSCD1発現を抑制し、MUFA合成を抑制し相対的にPUFA比率を上昇させることで、フェロトーシス誘導を増強することを明らかとした。本研究は、腎細胞癌は生存、増殖のためにどのようにフェロトーシスから逃避しているのか、リポクオリティに注目した機序について解明した。細胞内脂質代謝をコントロールすることでフェロトーシスを誘導しようという試みはこれまでの思考とは一線を画していると考える。
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