研究課題/領域番号 |
21K09382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
古田 昭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90349613)
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研究分担者 |
政木 隆博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60535657)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 間質性膀胱炎 / ハンナ病変 / 膀胱内細菌叢 / 診断 |
研究開始時の研究の概要 |
最新の間質性膀胱炎診療ガイドラインでは、膀胱内に高度の炎症所見(ハンナ病変)を認めるハンナ型間質性膀胱炎(HIC)と炎症所見の乏しい膀胱痛症候群(BPS)を異なる疾患として区別し、HICは2015年より難病に指定されています。現状、間質性膀胱炎の診断バイオマーカーは存在しないため、侵襲的な膀胱鏡検査によるハンナ病変の有無で診断されます。わが国のHIC登録患者数は約8,000人と少なく、泌尿器科専門医でも膀胱鏡検査によるハンナ病変の診断が困難であり、確定診断までに平均37か月も要しています。そこで、本研究ではHICの早期診断に寄与する新規尿中診断バイオマーカーを開発することが本研究の目的です。
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研究実績の概要 |
2021年度:L-トリプトファンとIFNγは膀胱上皮細胞の増殖を抑制したが、プロテインLによる膀胱上皮細胞の増殖抑制作用は認められなかった。また、IFNγはCXCL10を誘 導したが、L-トリプトファンとプロテインLは誘導しなかった。GPACの病原因子のひとつと考えていたプロテインLの発現を購入株ならびに臨床分離株で検討した結果、AnaerococcusとPeptoniphilusにプロテインLの発現は認められなかった。そこで、GPACの尿中診断マーカーとして、プロテインL測定は不適当と判断し、尿中AnaerococcusとPeptoniphilusを直接定量できるPCRキットを開発した(特許出願済)。 2022年度:患者の尿中より分離・培養・同定したAnaerococcusとPeptoniphilusの薬剤感受性を検討した結果、ABPCに感受性が高いことが判明した。そこで、尿中16S解析でAnaerococcusとPeptoniphilusを認める患者に対してABPCを2週間投与したが、明らかな症状の改善は認められなかった。 2023年度:尿中16S解析を再検討し、ハンナ型間質性膀胱炎の原因と考えられる起因菌の同定を試みた。しかし、膀胱内細菌叢の自然史には性差や年齢、特に女性の閉経前後における変化が推測された。ハンナ型間質性膀胱炎の起因菌を同定するためには、対照群における性差と年齢を加味した検討が不可欠と判断されたため、尿中診断キットの開発は現段階では中止とした。
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