研究課題/領域番号 |
21K09383
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
木村 高弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00307430)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 前立腺癌 / 融合遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌においてTMPRSS2:ERG遺伝子融合は最も頻度の高い遺伝子変異であり、欧米人では約50%に認められる、一方で日本人におけるその頻度は20%以下であることから、日本人においては別の融合遺伝子の存在が示唆される。新たな融合遺伝子の発見は、日本人前立腺癌における発癌メカニズムの解明と治療法の開発につながる。申請者は日本人から樹立した前立腺癌モデルを用いた次世代シークエンス解析により複数の新たな融合遺伝子候補を同定した。本研究では申請者の見い出した日本人の融合遺伝子の機能を解析するとともに、近年開発されたナノポアシークエンス解析を用いて、患者検体から新たな融合遺伝子を同定する。
|
研究成果の概要 |
前立腺癌患者より樹立した前立腺癌マウス皮下移植モデルの次世代シークエンス解析により同定された遺伝子融合遺伝子ELOVL5:LRRC1の発現を、前立腺癌細胞および臨床検体を用いて検討した。ヒト前立腺癌皮下移植モデル(JDCaPおよびJDCaP-CR)およびヒト前立腺癌細胞株LNCaPではELOVL5:LRRC1遺伝子融合の発現が確認されたが、ヒト前立腺癌細胞株PC3細胞では確認が出来なかった。また臨床検体におけるELOVL5:LRRC1遺伝子融合をFISH法で解析を行い、転移性前立腺癌の生検組織3例において確認することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当科で前立腺癌患者の転移組織より樹立した内分泌感受性前立腺癌マウス皮下移植モデルJDCaPおよびその去勢抵抗性モデルであるJDCaP-CRの次世代シークエンス解析により同定された遺伝子融合遺伝子ELOVL5:LRRC1を前立腺癌細胞株だけではなく臨床検体においても確認することができた。本研究では、ELOVL5:LRRC1遺伝子融合の前立腺癌における発癌および癌進展への作用の解明には至らなかったが、日本人症例で確認できたことにより、今後の新たなバイオマーカーや治療標的としての可能性を示すことができた。
|