研究課題/領域番号 |
21K09393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
井原 達矢 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (90622407)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膀胱線維化 / 低活動膀胱 / Hippo-Yapシグナル伝達系 / 線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴う血管内皮機能低下・動脈硬化・下部尿路閉塞による高圧排尿は膀胱血流障害を引き起こし膀胱壁の線維化を伴う低活動膀胱(DU/UAB)の発症に関与している。組織に対する機械的刺激はHippoシグナル伝達系により制御され、この経路への過剰な慢性刺激は臓器の線維化、細胞外基質の肥厚により臓器機能障害の原因になると報告されている。DU/UABに陥った膀胱は膀胱壁の線維化を有しており、この病態にはHippoシグナル伝達系の異常が関与していると考えている。DU/UABとHippoシグナル伝達系の関連を明らかにし、DU/UABの新規の治療戦略、新規治療薬の創生に結び付けたいと考えている。
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研究成果の概要 |
摘出したマウス膀胱を培養液内で伸展状態のまま培養を行ったところ、経時的に線維化が進行してくることを確認した。膀胱の伸展刺激受容体の阻害剤(GsMTx4)を投与した際の培養では線維化がある程度抑制されていた。線維化の進行とともに、培養液内の線維化促進因子であるTGF-β1も上昇したが、GsMTx4の作用下においてはTGF-β1濃度も低下していた。これらより、膀胱の伸展状態の持続は線維化を促進させ、低活動膀胱に至る病態の原因とも考えられるが、伸展刺激の抑制は病態の進行を遅らせる事も可能であると思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膀胱出口部閉塞による残尿増加などは膀胱壁の慢性的な伸展刺激を生じさせている。機械センサーであるPiezo1などが恒常的に活性化されている状態でありこれらが膀胱壁の線維化を促進させ膀胱過活動や低活動を誘発させると考えられる。 将来的にも増加が予想されるこれら膀胱機能低下に対する新規の治療戦略や新規治療薬の創生に結び付け、高齢化社会のQOL向上に貢献したいと考える。
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