研究課題/領域番号 |
21K09394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
城倉 浩平 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (30303473)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中腎管 / ソニック・ヘッジホッグ / オートクライン / 腎臓発生 / 成長因子 / 腎臓 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓の発生原基は、上皮と間葉のシンプルな構成であり、両者の相互誘導作用の利用が腎臓再生に有用と考えられる。本研究は、腎臓再生研究の基盤として、腎管上皮細胞の性質に焦点を当てる。 中腎管が分泌する因子ソニック・ヘッジホッグの、自己分泌作用(オートクライン作用)を検証し、中腎管自身の分化応答性に対する働きを明らかにすることが目的である。 申請者が構築した中腎管上皮のみの培養法により、間葉が存在する状態では検出が難しかった中腎管上皮の反応を鮮明にできる。 本研究により、多能性幹細胞由来の腎管系細胞研究や、腎臓組織工学研究へ情報を提示することができ、慢性腎不全に対する新たな医療の創造に繋ぐことができる。
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研究実績の概要 |
腎臓発生において、中腎管は、尿管芽を発芽して腎臓をつくる組織であり、その発生・分化機構の理解や、成長因子等に対する応答性の解明は重要である。中腎管の分化応答性の維持や尿管芽への分化には、中腎管上皮と間葉の相互作用において多くの因子が働く。本研究では、中腎管・尿管芽が分泌する細胞外シグナル因子ソニック・ヘッジホッグについて、中腎管・尿管芽自身に対する作用の有無を調べる。 2023年度は、前年度から引き続き、成長因子存在下で培養した中腎管の遺伝子発現解析を行った。線維芽細胞増殖因子9(FGF9;125 ng/ml)で維持した中腎管培養において、ソニック・ヘッジホッグ(1μg/ml)添加により、中腎管のWnt9b発現が有意に上昇する所見が得られた。Wnt-9bタンパクは腎臓発生過程において中腎管と尿管芽が分泌する因子であり、間葉上皮転換を促進してネフロン形成に関与することが報告されている。しかし、FGF9とソニック・ヘッジホッグの濃度条件を変えると有意な遺伝子発現変化が認められないケースがあり、慎重に評価を行っている。 これまでの研究で、FGF9存在下で、ソニック・ヘッジホッグによる中腎管のRet発現上昇、中腎管のソニック・ヘッジホッグとBMP4の相互の発現抑制傾向などが認められており、Wnt9b発現変化がこれらの現象とどのように関係するのか、解析を進めている。また、この所見が中腎管ソニック・ヘッジホッグの自己分泌作用を反映する可能性があるのかを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
培養中腎管の遺伝子発現解析において、使用する成長因子濃度により同じ応答傾向をとらないことがあり、効果の判断が困難なため。また、この濃度条件の検討に加え、研究法の修正・変更等、検討すべき課題が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
中腎管ソニック・ヘッジホッグ自己分泌機能の検証には、現在主として行っている遺伝子発現解析のみに依らず、多面的に解析を行う必要があると考える。遺伝子発現変動と形態学的変化を関係付けて解析することも一つの方法であり、培養中の組織変化を記録する小型タイムラプスイメージング装置の導入を引き続き検討する。また、ソニック・ヘッジホッグ受容体などが中腎管に実際に発現しているかを解析する。
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