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キチンナノファイバーを用いた即効性手術用止血剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09397
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関鳥取大学

研究代表者

武中 篤  鳥取大学, 医学部, 教授 (50368669)

研究分担者 森實 修一  鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (50419496)
伊福 伸介  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70402980)
大林 徹也  鳥取大学, 研究推進機構, 准教授 (80348804)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードキチン / キトサン / ナノファイバー / 止血剤 / 抗菌性
研究開始時の研究の概要

本研究では、瞬時に生体組織と接着して止血を得ることが可能な、生体吸収される安全性を担保したキチンナノファイバー手術用瞬間止血剤の開発を目指す。今回使用するキトサンは生体適合性、生分解性、抗炎症作用や抗菌性などの効果をもつため医療機器としての実績があり、カチオン性である事からマイナスに帯電している血球成分を凝集させる特徴を活かしたキトサンを用いたキチンナノファイバーによる新たな止血剤を開発する予定である。本研究により、出血を認めている状態でも薬剤を患部へ塗布することで瞬時に止血を得ることが可能な手術用止血剤の開発ができれば、今後広い分野でさらに安全に外科治療が実施できることが期待される。

研究実績の概要

作成したキチンナノファイバーによる手術用止血剤の効果について、ラットを用いて実験を行った。実験方法は、ラットをイソフルランよる麻酔処置後、皮膚・腹膜を切開し、左腎を遊離、腎の下極を切断し、切断面に止血剤を塗布・圧迫することにより止血効果や接着性を検証した。
ナノファイバースポンジを腎の切断面に圧迫することにより、出血部位は速やかに止血された。止血時間について既存の止血剤と比較し、遜色のない結果であった。同様にガーゼによる圧迫や3-0vicrylの単結紮縫合による止血方法を行ったが、止血時間についてナノファイバースポンジはより優れていた。
またナノファイバースポンジによる止血確認後にラットを麻酔から醒まし、3日後に二酸化炭素により安楽死させた。体内に出血はなく、腎切断面にはナノファイバースポンジが接着しており止血されていた。止血剤は体内での環境下でも切断面と接着したままであり、止血効果が続いていたと考えられた。
止血効果を検討するため複数のラットを用いて同様の実験を行い、既存の止血剤や縫合による止血方法と比較していく。また止血確認後の3日及び30日後の切断面の肉眼的・病理組織学的な観察を実施する。病理組織ではHE染色でマクロファージや好中球などの炎症細胞の浸潤についての評価や、免疫組織化学染色、RT-PCR法によりTGF-β1やTNF-αを測定し、止血剤の生体適合性を確認する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験方法は過去の報告と同様の手順で行ったが、詳細に記載されているものが少なく、手技の確立に時間を要した。また使用物品について追加で購入するものも多く、進捗が遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

作成したキチンナノファイバーによる手術用止血剤の止血効果や生体整合性について評価していく。ラットを用いて、既存の止血剤や縫合による止血方法との比較を行う。止血が得られるまでの時間や、3日後、30日後の病理組織を評価する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 大学発ベンチャーによる「カニ殻でみんなを笑顔に」するプロジェクト2022

    • 著者名/発表者名
      伊福伸介
    • 学会等名
      繊維学会秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Chitin nanofiber: various biological functions of the new material from crab shells and its practical application2022

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Ifuku
    • 学会等名
      The Advanced Materials World Congress
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の肌に対する効果と実用化に向けた取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      伊福伸介
    • 学会等名
      第63回快適性・健康を考えるシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] セルロースナノファイバー 研究と実用化の最前線2021

    • 著者名/発表者名
      伊福伸介
    • 総ページ数
      896
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
    • ISBN
      9784860437510
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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