研究課題/領域番号 |
21K09415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
松本 成史 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10288912)
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研究分担者 |
堀田 祐志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90637563)
木村 和哲 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 特任教授 (00423848)
山本 徳則 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (20182636)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 濾液 / 脂肪由来幹細胞 / 間質性膀胱 / 間質性膀胱炎 / 幹細胞濾過液 / 創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
間質性膀胱炎は、膀胱痛や頻尿、尿意亢進、尿意切迫感などを主訴とする原因不明の難治性の膀胱炎であり、指定難病対象疾病である。間質性膀胱炎には、水圧拡張術やDMSOの膀胱内投与などが実施されているが、効果は十分とは言えない。 我々は幹細胞の内容物に着目し「幹細胞濾液」を作成し、間質性膀胱炎モデルラットに脂肪由来幹細胞濾液を膀胱内投与することで頻尿症状が改善することを初めて明らかにした。本研究では、①「幹細胞濾液」中の活性因子の同定、②機能改善効果のメカニズムの解明、③既存の治療方法に比べた際の優位性の確認を目的とし、間質性膀胱炎に対する創薬を目指した幹細胞濾過液の有効性の検討する。
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研究実績の概要 |
間質性膀胱炎は、膀胱痛や頻尿、尿意亢進、尿意切迫感などを主訴とする原因不明の難治性の膀胱炎であり、本邦の指定難病対象疾病である。間質性膀胱炎には、水圧拡張術やDMSOの膀胱内投与などが施されるが、効果は十分とは言えない。最近では幹細胞による細胞治療効果が基礎研究で報告され注目を集めている。しかしながら、幹細胞治療は細胞自体を身体に投与するため、目的の細胞以外への分化、他家移植時の拒絶反応、保存・管理の煩雑さなどの問題点を抱えている。これらの問題点を解決するため、我々は幹細胞の内容物に着目し「幹細胞濾液(FSCL)」を作成し、独自に検討を進めてきた。これまでに、間質性膀胱炎モデルラットに脂肪由来幹細胞濾液(FADSCL)を“膀胱内”に投与することで頻尿症状が改善することを初めて明らかにした。しかしながら、本製剤FADSCLを臨床へ応用するためには、FADSCL中に含まれる有効成分(活性本体)と作用機序の同定、既存治療との比較、安全性試験、大型動物での効果の実証、など多くの課題が残されている。そこで、この知見に対しさらに詳細に検討することを目的とした。 これまでの我々の研究から、FADSCLの膀胱内投与による間質性膀胱症状の改善、既存薬50%DMSOに対する優位性を明らかにした。FADSCLを投与した個体、vehcleを投与した個体から採取した膀胱組織を用いてRNA-Seq解析を実施した。また本研究の成果と過去の論文報告を考慮すると、幹細胞濾液が間質性膀胱だけでなく他の下部尿路機能障害にも有効である可能性も推測される。次年度は、間質性膀胱に対するFADSCLの改善機序について詳細に検討を進めるとともに、他の下部尿路機能障害に対する有効性も検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存薬50%DMSOに対する優位性の検討が終わり、改善メカニズムのスクリーニングも終了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
改善メカニズムのスクリーニングデータの詳細な解析を次年度進めていく。また本結果から間質性膀胱だけでなく他の下部尿路機能障害に対する濾液が有効である可能性も見出されたため、最終年度は濾液に関して多岐にわたる検討を実施していく。
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