研究課題/領域番号 |
21K09420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
時田 美和子 (馬杉美和子) 滋賀医科大学, 医学部, 客員講師 (10420712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | mGluR7 / 射精 / 性行動 / シナプス / グルタミン酸受容体 / 脊髄切断 / 勃起 / グルタミン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、男性不妊の原因として性機能障害が増加しており、その半数以上が射精障害である。バイアグラなど勃起障害の治療はすすんでいるが、射精障害に対する有効な治療法は未だ見つかっていない。 研究代表者は、代謝型グルタミン酸受容体7型(mGluR7)が射精を調節することを見いだした。本研究はmGluR7による射精調節のメカニズムを明らかにし、射精のメカニズムを解明することを目的とする。 射精中枢は腰髄に存在することが知られるため、胸髄レベルで脊髄を切断して脳の影響を除外したマウスにおける射精誘発実験、形態学的解析、射精誘発刺激に対する神経末端からの電位記録などを計画している。
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研究成果の概要 |
我々はmGluR7遺伝子欠損マウス(KO)が性的モチベーションを持つにもかかわらず射精障害を示すこと、mGluR7が腰仙髄の神経回路の興奮性を増強することによって射精を制御していることを示した。 本研究では脊髄切断により脳の影響を遮断した状態で解析を行った。予想に反して、脊髄切断後のmGluR7 KOの性的反応は野生型マウスの性的反応よりも強くなった。mGluR7は副交感神経系だけでなく交感神経系にも発現しており、マルチモーダルなメカニズムにより射精を制御していると考えられた。我々の研究は射精のメカニズムだけでなく、射精障害の治療戦略を示すものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、不妊外来において射精障害の男性が増加している。しかしながら、アモキサピンなどの三環系抗うつ薬が逆行性射精を改善させる例を除き、射精障害に有効な薬物療法はない。 射精のメカニズムは不明な点が多い。mGluR7が射精調節に関与する神経回路を明らかにするために、免疫組織化学的解析を行い、その調節機構について考察した。mGluR7はシナプス前膜の伝達物質放出部位近傍に存在し、グルタミン酸放出の調節をしていると考えられている。今後、早漏や膣内射精障害を含めた遅漏などの射精障害の薬物ターゲットとしてのmGluR7の可能性を探索したい。
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