研究課題/領域番号 |
21K09429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
東武 昇平 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50647021)
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研究分担者 |
野口 満 佐賀大学, 医学部, 教授 (00325648)
青木 茂久 佐賀大学, 医学部, 教授 (10448441)
竹澤 俊明 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (50301297)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 尿道下裂 / ビトリゲル / 創傷治癒 / 尿道狭窄モデル / コラーゲンゲルデバイス / コラーゲンデバイス / 尿道下裂動物モデル / 尿道狭窄抑制デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
尿道形成手術の際に術後狭窄予防にシリコン性の尿道カテーテルが数週間にわたって留置される。しかし、それらの人工素材には防壁性・抗瘢痕作用・抗炎症作用といった付加的作用は弱く、さらに人体にとって異物であるが故の感染リスクの点など課題は多い。本申請研究は、我々が共同開発したコラーゲンデバイス技術を尿道内へ転用することで、損傷された尿道組織の治癒過程における上皮化・瘢痕形成・炎症惹起の機序を解明し、治療用デバイスとして創傷治癒促進作用の有無につき検証する基礎的研究である。
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研究実績の概要 |
2024年度は、ビトリゲルの尿道組織内への直接的な影響を確認するため、ビトリゲル糸と尿道下裂手術モデルラットを使用して、ラットの尿道の創傷治癒過程を経時的な変化を組織学的に検討した。尿道下裂手術モデルラットにおいてビトリゲルで作成した糸を用いた場合と従来の吸収糸(バイクリル糸5-0, 7-0)を用いた場合での尿道の創傷治癒過程の違いを免疫組織染色およびウエスタンブロッティングを用いて解析した。結果としてはビトリゲルで作成した糸を用いたラットは従来の吸収糸を用いたラットと比較して、尿道粘膜の肥厚が抑制され、尿道創傷治癒効果が有意に良好であることが確認された。創傷治癒過程でαSMAの過剰発現が上皮再形成や繊維化の要因の一つとなっているが、ビトリゲル糸使用群では、尿道組織周囲のαSMAのびまん性の発現が見られなかった。炎症の指標であるLCA(Leukocyte common antigen)の尿道周囲の発現は、バイクリル糸より発現が低下していた。コラーゲン再生の目安であるCTGF(Connective Tissue Growth Factor)の免疫染色では、バイクリル糸より発現が低下していたが、1週間で組織解析を行なったため早期コラーゲン再生が起こっていた可能性も考えられる。wbタンパク解析では、バイクリル糸と比較しTNFα発現低下、TGFβ発現亢進、ERK1/2 リン酸亢進が見られた。ビトリゲルが尿道内あると創傷治癒が促進される可能性が示唆された。 今後の課題はビトリゲルで作成した尿道カテーテルを用いた場合とシリコンカテーテルを用いた場合の創傷治癒促進効果の相違の有無についての確認をする作業が必要となるのだがラットの尿道にカテーテルを数日間留置する過程が難航している。 ラットの尿道に安定してカテーテルを留置する方法について再検討を現在行っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビトリゲルで作成した尿道カテーテルを用いた場合とシリコンカテーテルを用いた場合の創傷治癒促進効果の相違の有無についての確認をする作業が必要となるのだがラットの尿道にカテーテルを数日間留置する過程が難航しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ビトリゲルで作成した糸での創傷治癒促進効果は確認できているため、ビトリゲルで作成したカテーテルでの創傷治癒促進効果の確認を急ぐ必要がある。
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