研究課題/領域番号 |
21K09437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2022-2023) 朝日大学 (2021) |
研究代表者 |
加藤 卓 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (50596202)
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研究分担者 |
水谷 晃輔 社会医療法人厚生会中部国際医療センター(研究支援センター), がん研究部, 主任研究員 (80397356)
川上 恭司郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / 細胞外小胞 / H19 / RNA-sequencing / エクソソーム / アンドロゲン除去療法 / 体液生検 / 網羅的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
血液中エクソソームに含まれるAR-V7・MDR-1などの去勢抵抗性前立腺癌治療薬の感受性に関わる、既知のmRNAおよびタンパクの検出により去勢抵抗性前立腺癌患者における薬剤の効果予測および選択が可能かどうかを検証するとともに、網羅的解析により薬剤耐性に関与する新規バイオマーカーの探索を行う。
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研究実績の概要 |
現在転移性前立腺癌(PC)や去勢抵抗性PC (CRPC)に対する内分泌療法として、第2世代のAndrogen receptor signaling inhibitor (ARSi)が用いられている。血中PSAは前立腺癌の腫瘍マーカーとして普及しているが、ARSi投与中の患者では病状とPSA値がしばしば乖離する。そのためARSi耐性を診断する新規バイオマーカーの同定が求められる。細胞から分泌される膜小胞である細胞外小胞(EVs/エクソソーム)は由来する細胞の特徴を反映することから新たなタイプのバイオマーカーとして期待されている。本研究では、EVsに内包されるRNAに着目し、ARSi耐性の新規バイオマーカーの探索を行った。 2例のCRPC患者からARSi治療開始前と耐性獲得後に血清を採取した。血清からEVsを単離後、RNAを抽出しRNA-sequencing (RNA-seq)を行った。RNA-seqで発現変化が認められたRNAを選抜した後、85例のPC患者を対象にEVsでの発現をdigital droplet PCRで定量した。 候補RNAの一つであるEVs内のlong non-coding RNA H19 (EV-H19)の発現レベルは、転移性PC、CRPC患者と比較しARSi耐性PC患者で有意に上昇していた。PC組織ではH19はARタンパクおよびAR activity scoreとの間に負の相関を認めた。ARSi抵抗性である神経内分泌腫瘍に分化したCRPCの組織では、通常のCRPCの組織と比べH19は有意に上昇し、ARは有意に低下していた。EV-H19が発現している患者ではアンドロゲン除去療法 (ADT)による予後改善効果は有意に不良であり、EV-H19がARSi耐性を診断する新規バイオマーカーおよびADTの予後予測因子となる可能性が示された。
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