研究課題/領域番号 |
21K09448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 達也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00814766)
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研究分担者 |
岡本 一起 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (40177085)
瀧内 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40733358)
木村 正 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90240845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | NF-κB / MTI-Ⅱ / 6A-8R / 着床阻害 / MTI-II |
研究開始時の研究の概要 |
まず、着床周辺期のマウス・ヒト検体でMTI-Ⅱ発現とNF-κB活性を検討し、MTI-Ⅱの着床制御機構への関与を検討する(令和3-4年度)。次に、MTI-Ⅱと6A-8Rによる着床調節作用を検討する(令和3-5年度)。6A-8Rによる母仔の安全性も検討する(令和3-5年度)。
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研究実績の概要 |
令和4年度には、着床前マウスへのMTI-Ⅱの活性部位を利用したペプチド(6A-8R)投与による着床の検討を行った。6A-8Rは将来の臨床での使用を想定して、妊娠2.5日より連日経膣投与(2.5mg/回、1日3回)し、妊娠4.5日にEvans-blueを尾静注し、着床数・着床の有無を計算した。その結果、6A-8Rを投与した妊娠マウスは非6A-8R投与マウスに比して、着床部・着床数を減じ、有意に着床阻害効果を認めた。この妊娠マウスの子宮を用いてmRNAをリアルタイムPCRで測定し、炎症性サイトカインであるIL-1α,IL-1β,TNF-α,COX2はやや抑制効果を示したが、着床関連遺伝子とされるLIF,Wnt,Aregは明らかな有意差を認めていない。また、同様の条件の妊娠マウス子宮を用いて、着床に必須の分子であるpSTAT3/STAT3を検証したが、明らかな有意差を認めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着床前マウスへの6A-8R連日経膣投与による着床阻害効果の検討を行った。妊娠マウスを作成し、6A-8R投与するスケジュールを組み、着床評価を行った。6A-8Rを投与した妊娠マウスは非6A-8R投与マウスに比して、着床部・着床数を減じ、有意に着床阻害効果を示した。現在、6A-8R投与妊娠マウス、非6A-8R投与妊娠マウスの2群に分け、その評価を継続している。妊娠3.5日、4.5 日、5.5日のマウスの子宮を用いてmRNAをリアルタイムPCRで測定し、IL-1α,IL-1β,TNF-α,COX2などの炎症性サイトカインはやや抑制効果を示したが、着床関連遺伝子とされるLIF,Wnt,Aregは明らかな有意差を認めていない。また、同様の条件の妊娠マウス子宮を用いて、着床に必須の分子であるpSTAT3/STAT3を検証したが、明らかな有意差を認めていない。 令和5年度はマウス生体内投与による、子宮組織の着床関連遺伝子・分子の発現評価、脱落膜化の評価を病理学的に評価する。また、細胞添加実験も並行して行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
6A-8R投与妊娠マウス、非6A-8R投与妊娠マウスに対して、6A-8Rを投与することでの子宮の脱落膜化の評価(病理学的評価)を行う。明らかな有意差を認めない着床関連遺伝子が多いため、RNAシーケンスを用いて取得したリードの情報をデータ解析することを検討している。 動物実験に並行して、ヒトESC(HESC:正常子宮内膜間質細胞)に対し、6A-8Rを添加することで脱落膜化が阻害されるか、またHESCを脱落膜化誘導後に6A-8R を投与し、PRLとIGFBP-1+MTI-II primerといった脱落膜化マーカーや着床関連遺伝子(STAT-3, LIF, NF-κB、COX-2など)の発現を測定する。
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