研究課題/領域番号 |
21K09456
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
小松 玲奈 (香川玲奈) 昭和大学, 医学部, 助教 (30368633)
|
研究分担者 |
小松 正明 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 副チームリーダー (70750842)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 人工知能 / 先天性心疾患 / 出生前診断 / 胎児心臓 / 出生前超音波診断 / 肺静脈還流異常 / 胎児超音波検査 / 総肺静脈還流異常症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、産科領域での「胎児超音波スクリーニング検査」は、その必要性の啓発活動によりわが国において広く普及している。しかし、アーチファクトの影響があることや、検査者が超音波プローブを手動走査することで画像を取得するため、検査者間での技術レベルのばらつきが大きい。本研究では、高度な診断技術が要求される胎児心臓について、深層学習による物体検知技術を活用し、その異常所見を自動的にリアルタイムに検知する超音波診断支援技術の研究開発を行う。特に、適切な出生前診断と対応があれば救命可能となる総肺静脈還流異常症の出生前診断率を向上させ、児の救命、さらには予後改善につなげることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
総肺静脈還流異常症(TAPVC)は出生後早期に治療が必要な重症先天性心疾患であるが、いまだ出生前診断率は低い。その理由として、超音波検査は機種の性能や検査者の技術に影響されることが考えられる。出生前診断率を向上させるためには、肺静脈が左心房へ還流していることを確認する必要がある。しかし、肺静脈は非常に小さい構造物であるため、確実に検出するためには修練が必要である。そこで、深層学習を用いて肺静脈左心房還流像の自動評価を行う技術の構築を目指し本研究を進めている。これまでの検討から、妊娠中期の胎児超音波スクリーニング検査で取得した正常胎児画像を抽出し、心臓の各部位にアノテーションを行うことで、肺静脈と左心房のそれぞれを単独で検知可能であった。次に、肺静脈が左心房に還流している断面を含む画像を抽出し、U-Net、Deep Residual U-Net (ResUNet)、UNet++、 UNet3+の4手法を用いて肺静脈左心房還流像のセグメンテーションを行った。さらに検出精度を上げるために、画像の解析範囲を自動クロッピングで限定し、21 倍にデータ拡張した後に、3分割交差検証を行ったところ、肺静脈左心房還流像をこれまで以上にしっかりと捉えることが可能であった。一方、TAPVC胎児ではいずれの手法を用いても、肺静脈左心房還流像をセグメンテーションすることはなかった。 また、正常構造では左房隆起が確認できるため、同部位のセグメンテーションも施行した。左房隆起のセグメンテーション精度は、肺静脈左心房還流像と比してやや劣っていたが、TAPVC胎児では左房隆起を確認できなかった。さらに、左心房後壁から下行大動脈までの距離をが増大している症例では、TAPVCの可能性が高いことより、同距離の自動計測を行う手法についても検討を行った。現在研究成果の論文作成中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析データは揃っているが、その整理および論文作成を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
データを集約し論文を作成し投稿予定である。
|