研究課題/領域番号 |
21K09459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
鍔本 浩志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80340975)
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研究分担者 |
上田 友子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50793585)
井上 佳代 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80594754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂質メディエーター / 腫瘍関連マクロファージ / 再分極 / レゾルビン / ドラッグ・リポジショニング / イトラコナゾール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イトラコナゾールの新規抗がん作用機序を同定する。子宮頸癌の26%がPIK3CA変異を有しておりCaSki細胞もPIK3CA p.E545K変異を有し、これまでの我々の検討では多癌腫も含めて最もイトラナゾールによる増殖抑制効果を認めている。従ってこの細胞を用いる。我々のこれまでの研究により生物活性脂質メディエーターであるレゾルビンE2・レゾルビンE3の関与が示唆されているが、抗がん作用機序としては未知の代謝経路であり新規作用機序の解明として期待できる。イトラコナゾールのレゾルビンE2/E3を介する腫瘍への直接作用及びマクロファージを介した間接的抗腫瘍効果を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年に報告したCaSki細胞株を用いたイトラコナゾール投与による生理活性脂質メディエーターの変動では、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸由来のいくつかの変動が認められた。レゾルビンE2/E3が頸癌細胞より産生増加されることがわかったが、類似のレゾルビンD1/D2に腫瘍関連マクロファージを介するがん細胞増殖抑制効果が報告されており、レゾルビンE2/E3についても腫瘍関連マクロファージを介する作用を検討することとした。腫瘍関連マクロファージを樹立するため、ヒト白血病細胞由来であるTHP-1細胞からM1型、M2型マクロファージを樹立した。はじめにイトラコナゾールがそれぞれのマクロファージ自体にどのように影響するかを検討した。M2型マクロファージはイトラコナゾール投与によりM1型に再分極し頸癌細胞増殖抑制効果を示したが、マイクロアレイ解析やscRNAseq解析ではレゾルビンE2/E3に関連する遺伝子群は抽出できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍関連マクロファージ由来レゾルビン E2/E3の頸癌に対する影響を検討するため、前段階として腫瘍関連マクロファージのイトラコナゾールによる影響を検討した。腫瘍形成促進に関わるM2型マクロファージはイトラコナゾール投与により腫瘍増殖抑制に関わるM1型に変化することが、ELIZA、Western、bulky RNAseq、LC/MS、scRNAseq解析によってわかった。また、M2型マクロファージはイトラコナゾール投与により培養上清や頸癌細胞株との共培養で頸癌細胞増殖を抑制することがわかった。次に、レゾルビンDに関する発現遺伝子群の解析報告に則ってレゾルビン E2/E3の遺伝子発現群の抽出を試みたが有意な変動は認めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
頸癌CaSKi細胞とTHP-1由来腫瘍関連マクロファージとの共培養下において、イトラコナゾール投与がレゾルビンE2/E3の産生にどのように影響を与えるかを発現変動遺伝子群から解析する。また、特定臨床研究として子宮頸癌患者にイトラコナゾールを投与した前後がん組織検体を試料として保存しており、組織マイクロアレイを行い発現変動遺伝子群からレゾルビンに関わる変動遺伝子を抽出解析する。
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